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「わかりました。確かにそうですね。じゃあ、当たりくじを見つけたら1人一万円くらいの日当でいいですか?」


「えっ!? たった一万ってか。ふっ、俺もみくびられたもんや。じゃあ、俺はもう手を引くし、おまえ1人で探したらええわ。じゃあな」


「いや~、それは困りますわ。この西成も広いですから。それにもう、電車を使ってどっかに逃げた可能性もありますし…」


 恵介に背を見せたタクは、ふたたび振り返りしたり顔でつぶやいた。


「おまえの取り分の3割で手を打とう。どうやそれで?」


「えっ! 3割もですか!? ということは7億5千万ですか……それはなんぼなんでも、ぼり過ぎるんとちゃいます。タクさん、人の足元見過ぎですわ!」


「じゃあ、いくらやったら出すんや?」


「当たりくじが俺の手のひらに確実にのったら、1割で、どうです?」


 タクは呆れた顔で、(てのひら)をヒラヒラと振った。


「あかんあかん、話にならんわ。こうしてる間も、奴等は必死で捜してまわっとるんやで。四の五の言わんと、出すときは出さな、後で後悔するんはおまえやで。今がおまえの勝負時なんや、恵介!」


 タクは説得力のある声音をだして恵介の背中を押した。


「じゃあ、わかりましたよ。2割の5億でお願いしますわ」


「よっしゃ! 商談成立やな」


 話がまとまった。すぐさまタクは、シャカリキになって、あちらこちらに電話をかけだした。

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