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「おい、おい、おい、女の子に乱暴したらあかんやろ」
労働者風の一人の男がそう言うと、恵介の手を力強くつかみ持ち上げた。
「いてっ、いてて──なんや、おまえらは! おっさんらには関係ないやろ!」
「まあ、そう言わんと、こっち来てもらおうか」
他の男も恵介のもう片方の腕を持つ。次いで三人目の男が足を抱えると、皆でひょいと軽く担ぎ上げた。
「やめろ! 離さんかえ!!」
抵抗しようとする恵介だが、両手両足の自由を奪われ成す術がなく、そのまま段ボールハウスが連なっている方へと連れていかれた。
それを見ていた紗綾は何が起こったのかわからなかった。その場で、唖然と立ち竦む。そんな紗綾に目つきの悪い丸坊主の男が話しかけてきた。
「お嬢ちゃん、飛田から逃げて来たんか?」
「へっ?」
「まあええわ。お嬢ちゃんは、こっちに来てもらおうか」
「ちょ、ちょっと誰?」
「ふぇへへへ、悪いようにはせぇへんから、こっちに来ぃや」
気味の悪い笑み浮かべた男達はじりじりと紗綾に近づいてくる。
「ちょ、ちょっと来ないで!! 大きな声を出すわよ」
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