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「タクさん、それ、どういうことですか?」
「昔の遊女は、売られた金額に応じて決められる勤務年数があったんやけど、その期間が終わったら解放される。それを、年季明って言うんや。で、その年季途中で客が遊女の借金を肩代わりして囲うんが身請っちゅうんや。そのシステムをこの店が再び採用してんるんや。だから、お嬢ちゃん、せいぜい客に気に入られるように愛想ふりまきや。ほんまに身請された女もおるみたいやからな」
タクは紗綾に、僅かな希望をもたせ覚悟を決めさせようとする。というのも、確実にこの高級店に紗綾を採用してもらいたい気持ちがあったからだ。紗綾のやる気を少しでも出させ、これから会う店の人間に悪い印象を与えたくないのが本音だった。とはいえ、そんなタクの思惑に水を差す奴がいる。
「なるほど、じゃあこいつは金額が金額やから身請する客なんかおれへんってことですわ。一生ここから出られへんってことや。はっははは」
紗綾に対して非道な言動を止めない恵介にタクは苦笑しつつも、必要事項を訊ねた。
「それやけど恵介。このお嬢ちゃんは一体どれくらいの借金があるんや。それをこの店の店長にも、ちゃんと伝えとかなあかんしな」
「そうっすか。──ざっと5億ですわ」
「マジでか!」
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