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 右足首の痛みを必死でこらえながら紗綾は、立ち止まった恵介の元へ向かう。


「もうすぐそこや!」


 恵介は、アゴだけをくいっと動かしながら、そっけなくそう言うと再び歩き始めた。


 真っ昼間の繁華街、時折、下水から漏れでるような異臭が漂ってくる。夜とは異なり人もまばら。だが、裏方の仕事をしている人達は、すこぶる忙しそうだ。酒屋のトラックであろう荷台からは瓶の擦れあう音がカンカンカチャカチャと(せわ)しさを増幅させている。


 恵介がアゴで指した先には、昭和の匂いのする寂れたビルが建っていた。ビルといっても4階建ての小じんまりとした建物だ。エレベーターもなさそうだ。


 狭い入り口付近には自転車が5台ほど停められていた。


 その通路を恵介が、横向きになりながら通っていく。紗綾もスーツケースを転がしながら歩きにくそうに、その後に続いた。


 2階まで階段で上がると、市営団地のようなドアが3つ並んでいた。そしてその一番手前のドアの前に来ると恵介がインターホンを鳴らした。


 即刻、待ち構えていたように、すぐにドアが開く。中から顔だけをだしたのは、白いシャツの胸元を大きく開け若作りしたホスト風の男性だった。


「おっ恵介、お疲れさん。その()か?」


「お疲れっす。はい、そうですわ」

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