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 そのように考えた紗綾は、ガツガツ食べるのを加速さす。


「はぁ~~」


 それを見た恵介は深いため息を吐くと「おまえ一応、女やねんからもっと上品に食えや」と呆れた物言いで注意する。


「す、すいません。三日間まともに食べてなかったもんので、ついついはしたない真似を……」


 そう言いつつも、がっつくのを止めない紗綾。テーブルや床にはヨーグルトやパンの粉が飛び散っている。口のまわりにはヨーグルトとスープで白い髭をつくり、その上にはパンの食べかすやらが、ちりばめられている。極めつけは、食べ終わったあと盛大にゲップをしてみせた。


「あっ、これは失礼しました」


 顔をしかめた恵介は頬を変に引きつらせた。が、紗綾が完食し終わると誰かに電話をしだす。


「あっ、もしも~し。さっき言うてた女ですけど、今からそっちに連れて行きますわ」


 なにやら良からぬことを電話口に喋っている恵介。紗綾は、ものすごく嫌な胸騒ぎを覚えた。


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