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「なんや、いやにものわかりかがよーなったな。そんなに警察にチクられたくないんか?」


「は、はい。犯罪者にはなりたくないので」


「よし、わかった。じゃあこれからはなんでも俺の言うことを聞くんやな!?」


「はい、恵介様」


 この時、紗綾は大粒の涙を頬につたわせた。その涙は何もかも諦め今の状況を受け止めたというものではなかった。決して観念した訳ではない。ただただ悔しかったのだ。嘘とはいえ、こんなゲス野郎に一時(ひととき)でも従わなければならない自分が情けなかった。


 だが、恵介はその涙を見て勝ち誇った。生意気な紗綾を屈服させることができた。これからは、俺がこいつの主導権を握る。どんなことでもさせても盗まれた当たりくじの代償を払わせてやると。


 目の前で急にしおらしくなった紗綾を見て恵介は、片方の口角だけを異常に吊り上がらせた。

 

 根性の悪そうな顔立ち。恵介の性格が顔に滲み出ていた。


「紗綾、今の言葉を忘れるなよ。──じゃあ、風呂に行ってこい」


「はい、恵介様。ありがとうございます」


 こうして、一時的だが恵介の手から解放された紗綾。


(やっとこれで少しは息がつける。でも、お風呂場のどこに宝くじを隠そう…)

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