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「惠介! どうせ、あんたのことだから、この紙に書いてある内容、ネットのあちこちにも書き込んでるんでしょ!」


「さあな、おまえの所業が悪いから、ネットで叩かれても不思議やないやろ。人のせいにすんな、ボケ!」


「証拠はある!」


 今度は智明が、割って入った。


「すべて、お前とあそこにいる奴の仕業や。さっき俺が、書き込みに使用した電子機器にウィルスを流し込んだ。せやから、お前達のスマホが熱を持ち出したんやで」


「クソッ!! そんなことしたら犯罪やろ!」


「フフンッ、だったら、証明してみろや」


「……クソッ、どいつもこいつも、元は乞食のくせしやがって! 言っとくけどな、この女は守銭奴やから、金のためならどんな手段を使っても騙しにかかるんやで! それに、こいつが万引きしてたんを俺はこの目ではっきりと見たんや。さあ、これが世間に知れたらどうなるんやろな……ハッハハ」


「じゃあ、それをどこで見たんですか?」


 次に声をあげたのは紗綾の同級生の大輔だった。


「河原町の三丸スーパーや」


「あっ、それなら僕が紗綾さんに、好きなパンがあったら勝手に持っていってええって、言ってたんやわ。どうやらそれが、誤解を生んだみたいやな」


 大輔がそう言うと、名刺を惠介に差し出した。


「ん!? 三丸スーパー店長、清水大輔やと! ほな、あんたがあのスーパーの責任者ってことか?」


「そうやけど、何か問題でも…」


「くそっー! どいつもこいつも、グルやったんか! じゃあ、こいつが前の会社で不正をしとったんは知ってるんか?」


 すると、紗綾がしたり顔で惠介につけ添えた。


「惠介! もう、その人達とは、ひとりひとり誠意を込めて謝罪して和解したわよ」


「なんやと……」


「あんたのするこは手に取るようにわかるわ。それに、さっきあんたが言ってたけど、私は大事な人は騙さないし、この人達はもう私の家族なのよ。血は繋がってなくても、お互いを想いあえる家族なんよ。この人達は、あんたみたいに腐った人間じゃないから! 私もこの人達のおかげで目が覚めたの。──まあそうね、あんたはお金でしか人と繋がったことがないから、何を言ってもわからへんと思うけど…。でもね、これだけは言っとくわ、あんたが何を言おうと私達の関係は崩れないわよ」

 

「くそっ! おまえがあの時、素直に当たりくじを俺に渡してたら、こんなことにならんかったんや! くそっ、クソッ!! 紗綾! お前も道連れや、ぶっ殺してやる!」


 すべてにおいて、思い通りならない惠介。悔しい面持ちを浮かべつつ、突然、胸のポケットからカッターナイフを取り出し、刃を長く出した。


 そんな最中、遠くからパトカーのサイレン音が聴こえだしてきた。

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