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怒りのあまり目を血走らせた善三も、もう彼らの近くまで駆けつけてきた。アンナが運転するゴルフカートもすぐそこまでやってきた。
転倒した惠介達は、捕まってはなるものかとバイクを起こし走り去ろうとする。けれどその中にはバイクを捨てて逃げようとする奴等も。あわてた彼らは蜘蛛の子を散らすように別々の方向へと走り出した。
逃がしてなるものかと、妖怪に扮した警備員達もばらけて追いかける。
その光景を間近で見ていたアンナがつぶやいた。
「チッ、これじゃ全員を捕まえるのは骨が折れそうね。せめて、主犯の奴だけでも捕まえれたらいいんだけど…」
下っ端を捕まえても意味がない。全員が黒いライダースーツに黒のフルフェイスヘルメット、身長の差は多少あれど誰が先導しているのか見分けがつかなかった。そのことを知りたかったアンナは、ちょっとの間、思案しだす。
そこへ口をだしたのが香織の彼氏の智明だった。
「なんや、アンナ、どいつが主犯格か知りたいんか?」
「そりゃ知りたいわよ~、だってきっとそいつらが、私達のオーナーを誹謗中傷してる犯人よ。絶対に許せないわ」
アンナが言うオーナーとは紗綾のこと。悲報中傷の件は智明から少し前に聞いていた。智明はこういうときのために、NGワードをコンレットベルヴューホテルと和み宿のSNS上に仕込んでいた。投稿した誰かが、「乞食」「ホームレス」などの文字を打ち込むと通知がくるようにプログラミングしていたのだ。
その通知がきたのが約2時間前。その内容を精査した智明が近くにいるアンナ達に知らせたのだ。そうして、タイミングを見計らったかのようにこの騒ぎが起こったのだ。
アンナの問いに智明が答えた。
「それなら、僕に任せろ」
そう言うなり智明はノートパソコンを開けた。
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