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 香織が容赦なくエアーガンで連射されるなか、勢いよく善三が店に飛び込んできた。ぜいぜいと激しい息づかい。だが、エアーガンの先にいる2人を見るなり、猛烈な怒りが込み上げた。


「おまえ、わしの大事な娘と嫁に何をさらしとるんじゃ!」


 惠介は問答無用で今度は善三に連射する。撃たれだした善三は、間をおかず両手で顔をガードし惠介に突進していった。


「おんどりゃー! いてこましたる!」


 怒り狂った善三は、威力のあるエアーガンの打撃をものともせずバイクに跨がった惠介に突撃する。ところが、惠介はその場で弧を描くようにバイクをスピンさせ、向かってくる善三は撥ね飛ばした。


 派手に倒された善三は、不屈の精神で起き上がり、再び惠介に怒号を浴びせ突進する。


「くそっ…やりあがったな、この糞が!」


 鬼の形相に変わった善三を見て惠介は臆した。凄まじい善三の威圧感に耐え切れなかったようだ。惠介は、エアーガンを発砲しつつ素早く店内から出ていった。

 

「おい、全員、引き上げるぞ!」


 ヘルメット用イヤホンマイクで号令をだす惠介は、いち早く正面玄関へと走り出す。


 店内では、頭から血を流した善三が紗綾と香織に駆け寄った。


「大丈夫か?」


 善三はそう言って、二人をきつく抱擁する。


「私は大丈夫、それより紗綾ちゃんが…」


  香織は、急に嗚咽をあげだした紗綾を危惧しだす。


「紗綾ちゃん、どうした? どこか痛むか?」


 心配した善三が紗綾を抱き上げ問いかけた。すると、紗綾は善三を避けるように顔を離して口を動かした。


「ちょっ、善三さん、それ以上近寄らないで」


「えっ?」


「善三さんの匂いでつわりが…」


「えっ!? わしの?」


 目を皿にした善三に、すかさず香織は父親に罵声を浴びせた。


「だから、あんたのオヤジ臭があかねんやって。ほんま、体臭まで中途半端やねんからっ!」

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