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「おっ! おったおった、おったぞ! ラッキー、みんなぁー、蕎麦屋の前におるグレーのスーツの女を狙ってくれ」


「了解!」「了解!」…………


 ヘルメット用イヤホンマイクで仲間に指示をだす惠介。


 このとき、紗綾達は引戸を開け店内に入ろうとしていた。そのとたん、一斉射撃が始まった。


──ポンポンッ、ポン、ポン、ポポポンッ!──


 一度に複数の発射音が鳴りだした。紗綾と香織は背中や頭に被弾するも、慌てて店内に逃げ込んだ。


 だが、増悪に満ちた惠介は、構わず木製の縦格子上の引戸にバイクごと突っ込んだ。


 強い衝撃でガラスが割れ、建具がふっ飛んだ。紗綾達は、驚きのあまりその場に立ちすくむ。店内にどよめきの声が湧き上がった。


 そうして、バイクに跨がった惠介はいきなり紗綾にエアーガンを向けた。次の瞬間、なんの躊躇もなく引き金を引き連射しだす。


 そんなとき、どこからともなくミケがパッと現れた。紗綾を庇うようにして玉を肉球で受けて止めていく。だが、ミケは一瞬、一瞬でしか三次元の物体には触れない。必死で紗綾を守ろうとするが生前のようには上手くいかなかった。


 宝くじの抽選日の時のように軽い玉なら触れるし、カメムシも猫パンチできる。けれど、勢いよく飛んでくるエアーガンの玉は、すべてを受け止められないでいた。


 ミケの掌をすり抜けたいくつかの玉が、またしても紗綾の身体に被弾する。痛さのあまり、その場でしゃがみこむ紗綾。


 その紗綾の姿を見た香織は、咄嗟に紗綾に覆い被さった。


──ポンポンッ、ポン、ポポポンッ!──


「痛っ、痛っ! くっ……」


 痛みに耐える香織は、そのまま助けが来るまでこらえようとする。

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