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そのすぐ後、トイレのドアが閉まる音を確認する。
『もう大丈夫にゃんよ。それより紗綾、その真珠の首飾りを、また買うたにゃんか?』
「またって、真珠は初めてよ。これぐらいは仕方ないでしょ!」
『そういうことをゆうてるんやにゃいにゃん、なんでもホイホイ買い過ぎやってゆうてるにゃんよ。それに、前にコンレットの役員会議があるからにゃんってスーツもいっぱい買うてたにゃんよな?』
「もぉう、また、いちいち小姑みたいにうるさいわね! だからそれを言われると思って19,800円のんを三着買っただけよ。でも、私が何を買おうと勝手でしょ。ミケにとやかく言われたくないし!」
『だから、おまえはだめにゃんよ。そんな服なんて何着もいらないにゃん、必要な分だけあれば十分にゃんにゃん。無駄遣いし過ぎにゃん! 俺がなんのためにおまえに宝くじを当てさせたか、ちょっとは考えるにゃんよ! なにも、紗綾を贅沢させるためにと、ちがうにゃんよ!』
「だから、ほんまめんどくさっ、もうホテルの方も順調にいってる訳だし、これぐらいどうってことないわよ。けど、ミケ! あんた男のくせにいつもチクチク、チクチク、にゃんにゃんにゃんにゃんって、うるさいったらあらへんわ」
『にゃんだと! いつも守ってやってるのににゃん!』
「だから、それは感謝してるわよ。でも、守ってくれるのはいいけど、こうも四六時中つきまとわれたらストーカーとなんもかわらへんし《《にゃんにゃん》》!」
いつも細かいことを言うミケにムカついた紗綾は、バカにするように招き猫のポーズで拳を前後させた。
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