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 その17番と18番ホールのすぐ近くには、茅葺き屋根の古民家がひっそりと佇んでいた。その古民家を智明がオフィスとして使用していたのだ。そして、この古民家の隠し部屋から地下のサーバー保管庫へ降りれるエレベーターが設置される予定だ。外見はただのみすぼらしい古民家、誰も疑う余地がなかった。いやそもそも、大規模なサーバーが地下にあるとは微塵も思わないだろう。


 このサーバー保管庫の存在を知っているのごくわずかな人間だけ。紗綾と智明、およねと善三だけだった。さきほどの善三は娘の香織にとぼけて見せたようだ。知る人間が多ければ多いほどリスクが高まる。だから娘にも口をつぐんだのだ。


 未だに工事中の17番と18番ホールは背の高い鉄板の塀にぐるりと囲まれていた。誰も中の様子を見ることができない。スタッフや別荘の住人、キャンプに訪れた客などは、高齢者向け療養施設と温水プール、スポーツジムを建設していると聞かされている。


 それと、あと一つその隣の16番ホールには紗綾の悲願だった乗馬場も作られていた。


 もうすでに、大阪にあるコンレットベルヴューホテルの売り上げは順調に伸びている。このままだと、予定より早くホテルを買い取った金額すべて回収できそう。まだプレオープン初日の和み宿も、オープン前から噂が広まり、すでに予約が来年まで埋まっている状況だった。


 話題性は、コンレットベルヴューのリゾート地としてや、タイムスリップしたような光景の街並みだけではなかった。アンナが企画したLGBTのイベントや、ドラッグクィーンのショー、人気歌手達を招き入れ音楽の祭典も予定されていた。そんな様々なイベントやコンサートの予定もあっという間に世間に広がり、大きな話題を呼んでいたのだ。


 それと、紗綾が発案したキャンピングカーの長期宿泊場としても、各種専門雑誌やネットなどにも取り上げられた。オープンしてまもないというのに、キャンピングカーの聖地と呼ばれるようになり全国各地から問い合わせが殺到していた。


 さらに、和み宿の石畳の一番奥には商売繁盛を祈願したお稲荷さんならぬ、お猫さんを奉った神社を建立されていた。


 ゆえに、1キロにもおよぶ和み宿の石畳は参道になっていたのだ。玄関口には三毛猫模様の大鳥居が建てられていた。それに、あちらこちらに本物の猫の姿も。こちらも、誰が言い出したのか知らないが、いつしか猫の聖地として全国の猫好きな人々達の注目を集めていた。


 猫神社を建立したのは、紗綾と善三の身代わりになってくれたミケを(しの)んでのことだった。まあ、偲ぶといってもミケはいつも紗綾にくっついている。その姿は紗綾とおよねしか視えないが…。

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