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 今から二年前、紗綾が高額宝くじに当選したのを機に、智明は紗綾が運営するすべての施設の宣伝と、宿やキャンプ場の予約から料理の配膳など様々な管理システムの構築する仕事を任されるようになっていた。


 そうして智明が、その仕事をやり終えた現在は、彼の腕を見込んだKUUIの社長である広瀬が別の仕事を依頼してきたのだ。が、広瀬は彼の腕を見込んだだけではなく、この鶴ヶ峰村の地の理を生かしてあるものを建設したかった。むろん、智明は紗綾の従業員、それに鶴ヶ峰村の大半の土地は紗綾が購入していたため紗綾の会社を通してのことだった。


 さて、広瀬が智明に依頼した仕事というのはなんだったのだろうか。それは、大規模なサーバー保管庫をこの鶴ヶ峰村に建設し、そのサーバーの管理とセキュリティを任せる仕事だった。元々、本職だった智明はもう一度、人生をやり直そうと、このプロジェクトに情熱を燃やしていた。


 では、どうしてこんな田舎町にそのような大規模サーバーを建設しようとするのか。それは、地震や津波、台風などの自然災害が少ないと、専門家から教えてもらい判断したから。ミケこと涼平が云っていた天災の被害がすこぶる少ない安定した土地だったのだ。


 大切なクライアントから預かる様々なデータを危険には晒せない。従って、正確な住所などは一切公開していなかった。個人や会社の存続を左右するような重要な機密データをサーバーに入れている以上、産業スパイや泥棒の標的にされるのは間違いない。それにも増して、およねの口利きで国の機密情報まで預かることに。ことは産業スパイやこそ泥のような簡単な話では済まされない。それゆえに、絶対に他者には知られてはならない場所。それに加え、昼夜を問わずに24時間、サーバーセンターのセキュリティを厳重に行わければならなかった。

 

 ところで、その大規模なサーバー保管庫(データセンター)が、鶴ヶ峰村のどこにあるかというと、それは元ゴルフ場跡地の17番と18番ホールの地下だった。

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