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 およねは、蓮を愛でるのをとても好んだ。なおかつ、変人奇人の変わり種を発掘するのも好きだった。


 蓮は、泥水の沼や池の中から真っ直ぐ茎を伸ばし、その先に綺麗な花を咲かす。泥から出てきても汚れる事がない。そんな蓮の花は仏の教えにも通じるとされている。


 仏教での蓮の花には意味があり、蓮華の五徳という人の心のあり方を説いた教えがある。


 一つ目の淤泥不染(おでいふぜん)の徳とは、どんなに厳しい環境にいても清らかに生きるというもの。 二つ目は、一茎一花(いっけいいっか)の徳 、唯一無二の自分を大切に。三つ目は、花果同時かかどうじの徳、仏の心を大切に育てていくと説いたもの。四つ目は、一花多果いっかたかの徳、美しい花を咲かせて多くの人々を幸せにできるように。五つ目の中虚外直ちゅうこげちょくの徳とは、欲に支配されず真っ直ぐに生きるというものだ。


 人ならざる者が視え綺麗な心の持ち主のおよねだからこそ、このような仏の教えに精通しているのだろう。いや、綺麗な心の持ち主だからこそ人ならざる者が視え、仏の教えを習得しているのかもしれない。


 しかし紗綾は、そのような意味があるとは露知らず、口をポカーンと開けて考えていることがあった。


(「お前が咲かす花を早く見てみたい」からって、全然答えになってないし……それに変わり種は、およねさんでしょ。絶対に普通じゃないし、奇人変人というならおよねさんが真っ先にギネスに認定されてもおかしくないはず。でも、ほんとにどうしてここまで自分達の力になってくれるんだろう?)


 紗綾がそんなことを思っていたとき、先ほどの竹林組の会長である徳ちゃんが紗綾に話しかけた。


「お嬢さんも、およねさんのお眼鏡にかなってっことやな」


「そうですよね、およねさんに選ばれるのは、そうめったにあることではないですよ。あと二条さん、うちは通信事業だけじゃなしに、様々な企業と協賛してます。例えば今回、二条さん達がしようとしている土地開発などです。良ければ御社も仲間に入れて頂ければ光栄なんですが。およねさんのお眼鏡にかなった方や、間違いないですわ。──まぁしかし、確かに変わった方が多いのも否定しませんけどね。ハッハハ」

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