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「ゴリさん、ありがとうございます。──それとですね、総支配人、コンレットの屋上には確かヘリポートがありましたよね?」


「はい、あります」


「では、そのヘリポートと今回、建設する温泉施設を航路で繋いだら、約半時間で行き来することができます。それをするのは可能でしょうか?」


「はい、事前に許可をとっておけば問題ないと思います」


「うわぁ~それはすごいわね~、うんうん、それなら海外からの金持ちのハートをガッツリつかめるわよ。街中の高級ホテルとすぐに行ける田舎の温泉宿、うんうん、なかなかいいわ~、そのアイディア~」


 思わずアンナがつぶやいた。外国人の感性をよく知っているアンナだからこそ感心したのだろう。日本に何度も来る外国人のほとんどは、京都などの観光地には飽きている。したがって、日本の田園風景や温泉街、田舎の古民家などに宿泊したい外国人が増えているようだ。


「良かった、外国の人をよく知ってるアンナさんからいいアイディアと言ってもらって。じゃあ、それも計画に入れときますね。あと、善三さん?」


「はい、オーナー」


 と、善三に呼ばれ、恐縮してしまう紗綾は手のひらをヒラヒラと動かした。


「いやいや、善三さん、今まで通りでいいですから」


「はい、紗綾ちゃん」


「うん、じゃあ、善三さんにはこれから、私の右腕として働いてもらってもいいでしょうか?」


「それはすごく光栄です。精一杯頑張らしてもらいますわ」

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