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 その二日後、日本史上最高額の宝くじラト10キャリーオーバーの抽選が行われた。


 抽選会場には、例のごとく当たりの番号を抽出する機械メーカーに天下った尾崎と技術者の大槻、その会社の社長である菅沼が立ち会った。


 大槻は昨夜まで、念には念をと約100回以上も番号抽出に不備がないか確かめていた。尾崎と菅沼もそれを何度も満足気に見ながら、今日という日を待ち望んでいた。


 会場では、技術者である大槻がもしもの事態に備えて抽出機械の近くで待機している。隣の別室では、ほくそ笑んだ尾崎と菅沼がガラス越から当選結果を静観しようとしている。


 もともと、菅沼の会社は携帯電話のアンテナを設置する下請け工事をする仕事。


 だが、会社は携帯電話のアンテナの普及で仕事が無くなり現在はアンテナのメンテナンスとこの宝くじの抽出機械の製作に限られていた。この機械の製作は元総務省次官の尾崎の計らいのよって仕事の幅が増えたのだ。 


 それに加え、菅沼は株や先物取引などの投資にも力を入れていた。ところがこれが、会社の経営を傾かすことになったようだ。先物取引で大きな穴を開けた菅沼は、なにがなんでも今回の当選金額をものにしたかった。さらに、闇の業者である藤木にも多額の成功報酬を支払わなければならない。もしその報酬を支払うことができなければ、直接依頼をした尾崎もただでは済まされない状況だった。


◇ ◇ ◇ ◇

 

 時を同じくして、紗綾が入院している病棟のデイルームでは、ノート型パソコンの前に人だかりができている。この抽選会場はネットでも公開されており、それを見ようと紗綾と善三、アンナ、幸治夫妻、高槻夫妻と生まれて間もない赤ちゃん、寛太、香織、ホテルの総支配人のまさるがパソコンの前に集まっていた。そして、その全員が息を呑んで待ち構えている。

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