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 紗綾が店を出て歩いていると、いきなり後ろから声がした。


「おい!」


 低い男の声を聞いた紗綾の心臓がビクンッと飛び跳ねた。


(もしかして万引きがバレた!? でも、なんか聞き覚えのある声)


 足を止めた紗綾は、ギョッと目を見開いたまま恐る恐る後ろを振り向いた。と、そこには、にんまりとほくそ笑んだ恵介が立っていた。


「よぉ!」


 恵介を見たとたん、紗綾は物凄い嫌な予感がした。


(この、まるで鬼の首を取ったようなこいつの顔。さっきの万引きを見られた!?)


 無視を決め込みその場から立ち去ろうと紗綾。一歩前に足を踏み出そうとしたとき、恵介が次の言葉を発した。


「おいおい。逃げる気か? そんな悪いことをしておいて、よくもぬけぬけと何事もなかったように立ち去れるな」


(やっぱ、バレている。よりよって何でこいつがスーパーなんかに…)


「どうして、あんたがこんなところにいてるのよ!? 警察に捕まったんじゃなかったっけ? ─は、はぁ~ん。もしかしたら逃げてきたの?」              


「俺の潔白が証明されたんや! それより今の、全部見てたぞ。ふっふふ。お前にそんな盗癖があったとはな……さあ、どうしてくれようか? 先ずは店員に告げようか、それとも直接、警察に通報しようか」


「なんのことよ!? 言いがかりは止めなさいよ!」


「いいがかり? じゃあ、カバンの中身を見せてみろよ。お前の好きな明太子をのせたフランスパンがあるやろ。──ふっふふ、まあええかっ。ちょっとそこで待ってろ。いま店員を呼んで来たるから」   

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