表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
243/312

4

「クリアー!」


 声を張り上げた救命士は、他の人への感電を防ぐため周りに人がいないか確かめてからショックボタンを押した。そのとたん、紗綾の身体が小さく跳ね上がる。すぐに胸に耳をあてる救命士。その刹那、救命士の顔つきが、よりいっそう険しいものとなり再び胸部圧迫マッサージをしだす。


 そんなときだった。駐車場の脇の植え込みからよろよろと一匹の猫が現れた。高槻の家で飼っていた、おでこが斜めパッツン模様の三毛猫だ。言わずもがな、この猫の正体は涼平。


 全身が焼け焦げて黒くなっているが、かろうじて三毛猫だと判断できる。足取りもおぼつかず、震えた足でなんとか歩いている。かなり弱っている様子。


 爆発するほんの少し前に嫌な予感がした涼平は、妖力を用いてタクシーから擦り抜けた。そして、紗綾を守ろうと紗綾と善三の前に覆い被さった瞬間に爆発、寸前のところで涼平が盾になったのだ。


 でも、今この時、紗綾と善三の意識は戻っていない。それにあせった涼平は紗綾の元へ近づこうと、大火傷と傷を負った体に鞭を打ち必死で歩こうとしていた。


「紗綾、ちょっと待ってろよ、俺が絶対に助けてやるから…」


 そう弱々しくつぶやきながら、横たわったままの紗綾に近づこうとする。救急措置をされている善三の横を通り、あと少し歩けば紗綾の元だ。そのとき、救命士の1人が猫の存在に気づいた。


「おい、その猫をあっちにやってくれ! すぐにショックボタンを押すぞ」


 それを聞き別の救命士が猫を捕まえようとする。だがこのとき、立っているのもやっとの三毛猫が力尽き、その場でばたりと倒れ込んだ。

お読みいただき、ありがとうございます。 少しでも面白いと思っていただけましたら、ブックマークや評価をぜひお願いします。 評価はこのページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタップすればできます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ