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「とにかく、紗綾、わかったな。俺の言うことを聞いてたら間違いないからよ。あと、およねさんの言うこともなっ!」


「はあ~ぁ? もぉ、なんで私が涼平君の言うことを聞かなきゃいけないのよ!」


「あっ、それ反抗期か?」


「そんな年、とっくに過ぎてるわよ。そーゆうあんたこそ中2病とかじゃないの?」


「ふっ、紗綾、お前は今日は生理にゃんか?」


「はあ!? 涼平君、またにゃんって言ったでしょ!」


「言ってない。ただ俺は、なゃんか?って言っただけや」


「ほら、やっぱり言ってる!」


「だから、言ってないなゃんよ」


 とたん、涼平のお尻から尻尾らしきものが3本も出てきた。


「えっ!? ちょっと涼平君、お尻からなんか出てきたわよ!」


「ヤバい…」


 次の瞬間、涼平は駆け足で杉林の方へと走り出した。その後ろ姿を見た紗綾は、目を丸くして口元に手をあてた。


「えっ!? 嘘っ! 頭からも猫耳みたいなもんも出てきた……なに、なんなのあの子は??」


 このとき善三は、ほんとうに風水に適した土地なのかひとつひとつ確かめるように、辺りの景色を感慨深く眺めていた。

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