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「わかりました。京都の南丹市ってところの道の駅、6時ですね。ありがとございます」


 刑事の石倉から情報が入ったタクは、すぐに惠介と仲間達を連れて京都に急行する。


◇ ◇ ◇ ◇


「はあ~ぁ~、めっちゃド田舎、山と川と田んぼしかないとこね~。えっと、たぶん、あそこの鉄板屋根の(うち)だわ。そう、そこ左」


 ナビをしていたアンナが指差した先には、茅葺き屋根を鉄板で覆い隠した古びた民家だった。もう少し時が進めば廃墟ともいえるボロ家だ。全員が車から降りると家全体を見渡した。


 手入れされていない広い庭は、草がぼうぼうで、玄関までの通路がかろうじて見えるぐらい。敷地がどこからどこなのかもわからなくなっている。玄関の引き戸にはクモの巣があちらこちらに。コンクリーの床には、いつ死んだかわからないカナブンなどの昆虫が転がっている。


「確か寛太のおじさん、給湯器の下にあるブロックの中に鍵があるって言ってたわ」


 三つ空いている穴の真ん中に鍵が入っていた。虫嫌いなアンナは、それを高槻に取ってもらう。


 それを受け取ったアンナは、鍵を鍵穴に差し込もうとする。が、その時だった。草刈り機を持った老人が、しゃがれた声で話しかけてきた。


「おい、あんたら、みなれん顔やな。どっから来なすったんや?」


 それに答えたのは善三だった。


「あぁ、ワシらは、寛太の知り合いでして。近くに寄ったついでに、その寛太から家を見てきてくれって頼まれたもんで」


「なに!? 寛太やと。あのごく潰し、まだ関西におんのんか?」


「えっ!? ごくつぶし?」

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