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その頃、運転免許センターでは、紗綾が現れるのを仲間達と待ち構えていた藤木がスマホを片手に部下の遠藤から報告を受けていた。
「すいませんボス。俺、どえらい見落とし、してたかもしれませんわ」
「どうしたんや遠藤?」
「いやね、昨日の昼、娘を見つけたって目撃情報が入ったんで、そこのアパートに急行したんですが、そこには娘らしき人物は1人も見当たりませんでして、代わりに女装した元テコンドーの選手の岡馬とグラサンかけた変なガキがおったんですわ。ですけど、昨日からその岡馬らの姿が消えたんと、そのアパートをしらみ潰しに探してたら岡馬の部屋から特殊メイクに使う道具を見つけたんですわ」
「ちょっと待て、その岡馬って身長が190ぐらいある奴か?」
「はいそれぐらいは軽くあると思いますわ。それでね、その岡馬のことをちょっと調べさせたんですが、数年前の約2年間、ハリウッドで特殊メイクの修行を積んでたらしいんですわ」
「なんやて!? 実はさっきな、ちょっと髪の毛が薄いおっさんと若い男の子が事務局に入っていったんや。そんで、その近くに大柄のオカマとグラサンかけた少年が立ってたんや、それがどうも引っかっかててな」
「それってボス、そいつらとちゃいます? オカマとグラサンかけたガキのコンビなんて、他におりませんで」
ちょうどそのとき、藤木のスマホにキャッチが入る。
「ちょっと遠藤、いまキャッチが入ったから一旦切るぞ──はい、もしもし」
「あぁ、尾崎です。──藤木さん、まだ例のものは見つからないんですか?」
「はい、少し難航しておりまして」
「このままやったら、昔にあなたに依頼した仕事のように歯切れの悪い結果で終わるんとちゃいますか?」
「はっ? 昔に依頼した仕事とは?」
「八雲設備のことですよ! 以前に 私らの贈収賄の証拠らしきものをつかんだ八雲善三を取り逃がしたでしょ。あれから奴が消えたからええもんの、しばらくは満足に寝れませんでしたからね」
(そうや!! 思い出したぞ、さっきのハゲてた奴が、八雲やったんや!!)
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