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「昔やってたワシの会社は、携帯電話のアンテナをあちこちに設置する仕事やったんや。その頃は、大手の電話会社から仕事をよーさんもうててな、結構忙しかったんや。でもある日を境にいっぺんに仕事がのーなってしもーてな。というのも、当時のライバル会社が、総務省の役人に多額の賄賂を渡したんや。で、そのあとは下り坂や。その役人が大手の電話会社に圧力をかけよって、ワシんとこの仕事がピタッと無くなってしもーたんや」
昔を思いだしてか、車窓を見る善三のまなざしが遠くなっていく。けれど、わかる説明を早く聞きたいアンナはイライラしながら善三に詰め寄った。
「ちょっと、善三さん、そのことと今回の紗綾ちゃんのこと、何の関係があるのよ?」
「まあ、アンナちゃん、そんなに急ぐなって。つまりやな、その総務省の役人っていうのが今回の鍵を握る人物なんや。今回、紗綾ちゃんに悪さをした奴等は、おそらくその総務省の役人が手配した業者やと思うわ」
「それが免許センターで見た人なんでしょ? でもなんで、その人らと、宝くじの機械メーカーの会社の人らが紗綾ちゃんを襲うのかしら?」
「ふむ、さぁここからが本題や。総務省っていうのは通信関連や宝くじとかも管轄してるとこやねんや。で、そのライバルやった会社が、今はアンテナのメンテナンスと宝くじの当たり番号を選出する機械を作ってるって噂を聞いたことがあるねん。今のこのご時世、携帯電話のアンテナなんかもうほとんど建ったあるやろ。だから、その会社がズブズブの関係のその役人に配慮してもうて、新しく宝くじ関連の仕事を始めたんやろう」
それを聞き、アンナはこれ以上待てないと言わんばかりにヒステリックな声をだした。
「だからって、なんでそいつらが紗綾ちゃんを襲うのよ!?」
「まあ、ここからもワシの推測やねんけど……多分な、そいつらが今回のラト10の当たり番号の選出になんらかの不正をしとったんとちゃうやろか? そやけど、何かの手違いがあって失敗したんや。で、それを今、ワシの隣に座ってるラッキーガールが当ててしもーたってとこやろ」
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