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その日の午後、恵介が任意で警察に同行を求められた。今日は土曜日。惠介の働く会社は休みだった。
紗綾の家には皮手袋の跡があちらこちらに付着していたものの、肝心の指紋は見当たらなかった。とはいうものの、警察は恵介が犯行に及んだのではないかと疑った。
「俺は何にもしてませんから!」
「けどな、君には確固たる動機があるんだよな。それで、彼女の家から当たりくじは見つかったのかい? 確か二等だと7億円の当たりくじだったよな…」
「だから、俺は何もしてませんって! それにその時間ならアイツのマンションの近くのコンビニで時間を潰してたって言ってるでしょ!」
「あぁ、それな。──今、他の刑事がそのコンビニの防犯カメラを確認しに行ってるから。もう少し待っててや。──まあ、でも君にアリバイがあったにしろ、第三者に頼んだ可能性も否めないしな…君には、しばらくここに居てもらうことにしよう」
「えっ!? 刑事さん、そりゃないわ。俺は月曜日から会社に行かなあかんのに。それに明日は彼女と約束があるんですわ」
「まあ、君の潔白が証明されればすぐにでも帰すから。それまでは、ゆっくりしていけよ」
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