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「そうなんですか。でも、こんな高級なホテル…とてもとても私には敷居が高過ぎて、絶対に無理です。それに、普段と同じ生活をするように心がけていたら破産はしないと思いますし」


「ふんっ、人を見る目も養われてない、金の使い方もわかってない、今までずっと貧乏やった人間が、いきなり大金を手にして我慢できると思うか?」


「…ど、どうでしょう、か……」


 そういうものかどうなのか、わかないから口ごもる。


「なぁ紗綾、花はなんで咲いたら綺麗かわかるか?」


 またもやおよねの禅の問答のような質問が始まった。


「えっと、単に見た目が綺麗からですよね」


「ふっ、そやな。綺麗わな。じゃがな、外見だけのことを言うてるんやのうて、花は先に咲いた順から枯れていくやろ。なんでや?」


「さあ? どうしてですか?」


「ふむ。先に咲いた花が、いつまでも養分を吸い続けたら後に続く花が咲かれへんやろ。わかるか?」


「はぁ~? それが綺麗と何の関係があるんですか?」


「先に咲いた花は、後に続く花のためにさっさっと枯れてやるんや。でも人間はどうや? いつまでも金と権力にしがみつこうとする汚い奴が(おお)ないか?」


「確かにそうですね」


「せや! そやから花は綺麗なんや。──あのな紗綾、わしはもうそんなに(なご)ーない。だから紗綾、これからはおまえがお前のやり方で花を咲かす番や」


「はぁ!? ちょ、ちょっと待ってください。なにを訳のわからんことばっかり言うてるんですか。それに、まだ当たりくじを換金できるかどうかもわからへんのですよ。だから、およねさん。すいませんけど、今はお金の使い道とかは(なん)も考えられませんって」


「そのことなら、もう段取りはつけてある」

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