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意外や意外。こんなところで仲の良かった同級生に会うとは2人とも思いもしなかった。
「良かったわ元気で。とても嬉しいわ」
アンナは総支配人であるまさるに顔を近づけると、なぜかまさるはぽっと頬を赤らめた。
「いや、いやいやー、ちょっ、ちょっと太一、近過ぎやって、わかったからちょっと離れーや」
「う~ん、やっぱまさるって可愛い~。昔から、あなたには性別を越えた愛を感じるのよねぇ~」
「いや、いやいやいやいや~~。けど太一、その格好も似合ってるやん。でも、まさか太一の女装姿をここで見れるとはな……ハッハハハ」
どこか引きつった笑いかたをしているようにも見えたが、総支配人のまさるは久しぶりに会う太一との再会を素直に喜んだ。
◇ ◇ ◇ ◇
一方、別室では、親子水入らずでしんみりと話し込んでいると思っていた善三と香織。しかし、なぜか修羅場を迎えていた。
「せやけど香織、ほんまに立派になったな」
しみじみと成長した娘の姿を喜んだ善三だが、どうも娘の方は違ったみたいだ。
「おいオッサン! 気安く私の名前を呼ぶんじゃねー! いきなり現れて父親面しやがって!」
「えっ? 急にどうしたんや?」
「はぁ~、アホかおまえは! さっきは客の前やったからいい子にしてやってただけや。おいおっさん! おまえのせいで、どんだけわたしとお母さんが苦労したと思ってるんや! よくもぬけぬけと会いにこれたな!」
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