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7.

 エレベーターに乗ると、あっという間に地上から約200メートルまで急上昇し39階の客室フロアーに到着する。


 そこは、キングエグゼクティブスウィートの部屋がいくつか存在するフロアーだ。


 一部屋と一部屋の入口であるドアが離れており、一つの部屋がどれだけ広いかを物語っている。


「こにらでございます。すでに、兼光様がお待ちです」


 前もって、客人の許可を得ているのであろう。ノックもチャイムもせずに芹澤は重厚そうなドアを開けた。


「兼光様、お客様をお連れいたしました」


「ふむ。香織ちゃん、ありがとな」


 中には、およねが、長いソファーの真ん中にちょこんと腰掛けていた。


「では私は。他になにかございましたら、何なりとお申し付けください」


 さすがはホテルマン。事務的だが、笑顔を絶やさない好感をもてる女性だ。そんな彼女におよねは、まだ何か用があるようだった。


「香織ちゃん、もう少しここにいときなさい」


「はい、かしこましました」


「ほら、そんなとこに突っ立てないで、お前達、さっさっとここに座れ」


 紗綾達を見るなり、普段のおよねの物言いが戻ってきた。


 だが、紗綾達はかなり豪華な内装に息をのんでいた。それになによりも、やんわりとしたゴールドの光を放つ間接照明に照らされた部屋のだだっ広さにも驚いている。


 そんな折、先に口火を切ったのはアンナだった。


「おかあさん。これは、一体どういうことかしら?」

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