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「さあ、紗綾ちゃん、ここに座り」


 多栄子の優しげな声が、紗綾によりいっそうの安心感をもたらしてくれた。


「はい。ありがとうございます。でも、すっごいご馳走ですね」


「そうでしょう。今朝、およねさんの知り合いのお肉屋さんが、特上のすき焼き肉を持って来てくれたのよ。それも5キロもよ!! ──なんでもね、およねさんにお礼がしたいんだけど、礼金を受け取ってくれないって。でも、そのお肉屋さんはなんとしてでも、お礼を受け取って欲しくて、およねさんに何やったらお礼を受け取ってくれるか聞いてきたんですって。そしたら、およねさんが私達にたらふくの肉を食わしてやってくれって……」


「さすが、おかあさんね。ただのドケチではなかったんだわ」


「おいおい、アンナちゃん、それは言っちゃ…」


──ハッハハハ……… ──


 そんな他愛もない会話に、またもや部屋中に笑いが広がった。


 けれど、先ほどのメンバーの一人だけが見当たらないことに気づく。涼平だ。紗綾は、となりに座っていたアンナに聞いてみることにした。


「あの~、アンナさん、さっきの男の子は?」


「あぁ、涼ちゃんなら、どっかに消えてしまったわ。私たちも彼のことはあんまりよく知らないのよ。いつも、ふら~っと現れては消えの繰り返しだから」


「そうやな、あいつは疾風の(ごと)く現れたと思えば、いつの間にか消えよるから、つかみどころがないっちゅうか、ほんまよーわからんのんや」


 善三も腕組みしながら答えると、他の人達もふんふんと頷き賛同する。

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