表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
145/312

8

 何事も見通せる、およねの力には感服させられる。


 不思議なことに、およと出会ってからというもの、とても穏やかな気持ちになっていた。なぜかと聞かれても答えられないが、惠介との恐怖に満ちた関係を未だ断ち切れない紗綾は、極度の緊張から解放され、ひとときの安らぎを感じれるようになっていた。


 こんなにも深い愛情をもったおよねさんって、一体何者なんだろう。そんな疑問が頭の中を埋め尽くす。そんな紗綾の心の内を知ってか知らずか、アンナが声をかけてきた。


「さあ、紗綾ちゃん、いっぱい聞きたいことがあると思うけど、今は先にお風呂に入らしてもらって、お顔を洗ってきなさい」


 多栄子も「それがいいわ」と言って、バスタオルやらの用意をしに行った。


 一際(ひときわ)大きな三毛猫は紗綾に寄り添ったままだったが、人間の言葉を理解したのか再び座布団の上にのり毛繕(けづくろ)いをし始めた。


 少しの間をおくと、多栄子が居間に戻ってくるなり紗綾に話しかけた。


「お風呂の準備ができたわよ。──私も紗綾ちゃんって呼んでもいいかしら?」


「はい」


「じゃあ紗綾ちゃん、こっちに来て。ちゃんと、着替えも用意してあるから」

お読みいただき、ありがとうございます。 少しでも面白いと思っていただけましたら、ブックマークや評価をぜひお願いします。 評価はこのページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタップすればできます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ