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 正座している紗綾の膝に何度も頭を擦りつけている三毛猫。全体的には白っぽい猫だが、おでこの模様が茶色い毛と黒毛が交わり斜めぱっつんの前髪のよう。顔は丸みをおび、鼻先が短い。それに大きな耳は(かす)かな音でもよく聞こえそう。いたって愛らしい猫だ。


 この猫とよく似た猫を知っている。紗綾 の色褪(いろあ)せた記憶がよみがえる。同時になぜか、なつかしさが紗綾の胸にあふれだした。


(そうだ。昔、子供の頃、この()とよく似た模様の猫がいてた。仔猫だったけど、顔も模様もそっくり。ああ、あの猫ちゃんどうしてるかな……もし、誰かに拾われてたとしても、あれから20年近く経っているから、さすがに生きてはいないだろうな…)


 そう、その猫とは紗綾が子供の頃、川に溺れていたところを助けた猫だった。川の上流から段ボール箱が流されていたのを見つけた紗綾は、箱の中に仔猫が入っているのを見逃さなかった。橋の上から仔猫を発見するなり、川に沈みかけていた段ボールごと救出したのだ。幸いにも水深が浅い川だったため助けることができたようだ。

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