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16.

(えっ? これだけ……あんなにも恥ずかしい思いや嫌な思いもしたのに、たったの5百円とは…)


 とほほと、涙がちょちょ切れそうだった。そこへ、運転中の高槻が屈託のない明るい声音で話しかけてきた。


「梅子さんも、今日は得を積んだんですね」


「へっ? それはどういう意味ですか?」


「なんや知らんのですかいな。お乞食さんは、お坊さんがする托鉢(たくはつ)とさほど変われへんのんでっせ。それは、何を意味するかって言いますとな、人に善行を施すことは徳を積むことになるいうことなんですわ」


 それを聞いて益々わからなくなった。托鉢? 人に善行を施す? それがどうして私の得になるんだろう? そんな疑問符が頭上に浮かんでいる紗綾を見かねた高槻が、噛み砕いて説明を加えだす。


「せやからですな、人に良い行いをさすことによって、その人の得を高めてやることができまっしゃろ。ふんで、それによって、自分の得も高めれるという訳なんですわ」


 なるほど理屈はわかった。そういうことか……だとすると、およねさんは私の得も高めてくれようとしてくれてたのかな?

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