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二人の婆さんを見た遠藤は、どうでも良さそうな顔をして栗林に早く扉を開けるように急き立てた。
「栗林、はよー開けんかい!」
「はっ!」
すぐさま栗林が扉を開けると、ずかずかと中へ踏み込む遠藤達。誰もいてないことがわかると、すぐに通路に戻る。
「誰もおらへんがな。じぃさん、ほんまにこの部屋でおうてるんか?」
よれよれのお爺さんは、うんうんと頷くだけで、およねを見たとたん口をつぐんだ。およねが怖かったのだ。
「おい! じぃさん大丈夫か? どっか具合が悪いんとちゃうか?」
首を振るだけで精一杯のお爺さんは、すごすごとこの場から立ち去ろうとする。
剣が含まれるおよねのきつい視線に気づいたからだ。
「おい! おまえたち、わしの部屋に何のようだ!?」
およねが、男達にがなりたてた。
「この女が婆さんの部屋に入って行ったと聞いたもんでな。悪いが確認させてもらったぞ」
そう言うと遠藤は、紗綾が写った顔写真をライトにあてながらおよねに見せつけ、問いかけた。
「婆さん、この女を知らんか?」
「さあ、知らないね。それより、わしらはこれから仕事に行かきゃいけないんでな。そこを、どいてもらえるかの?」
男達が道を開けるのを確認すると、およねは連れのお婆さんの方を振り向き、「さあ、梅子ぐずくずせんと、さっさっと行くぞ」と言って出口の方へ歩いて行った。
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