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「あいたたた、なにっ!?」


 涼平の踵で蹴られた男は、おでこに手をあて、驚いた表情を浮かべた。


「おっさん、次は本気で蹴らしもらうで」


 男の方へ振り返った涼平がそうつぶやくと、すかさずもうひとりの男が、涼平の後ろから忍び寄る。と、涼平はしなやかな身体を捻るようにして後ろ回し蹴り決めた。とたん、男はガードするも大きくよろめいた。


 薄暗い通路の奥からは、牛刀を持った寛太を先頭に善三と幸司が男達にジリジリと詰めよっていく。


 それを見た男達は、ふらつきつつも外へと逃げ出した。


 だが、ことはそれだけでは終わらなかった。表にでた男達は、すぐに携帯で仲間のヤクザ達を呼び寄せた。それにあろうことか、このアパートの住人の一人が、今やお尋ね人となっている紗綾をアパートの入り口付近で目撃していたのだ。その男は、礼金欲しさに、近くの公衆電話を使い通報する。通報した先は、藤木率いる闇の業者の1人、遠藤という男だった。遠藤はボスである藤木にこの場の指揮を任されており、恵介とタクと同様、あちらこちらに紗綾の顔写真を貼りつけていた。もちろん、こちらも見つけて通報してくれた者には高額な謝礼金を支払うと記載していたのだ。


 遠藤は、グループのコネを使い、鉄道会社やこの町のあちらこちらに設置してある防犯カメラの記録を入手していた。すべての記録を精査し終えると、紗綾がこのあいりん地区から出ていないことを確信する。


 一方、恵介達もスカウトマンを使い、徹底的に聞き込み調査を行っていた。その後、報告を受けたタクと恵介も、未だ紗綾があいりん地区から出ていないことを確信する。そして、このあいりん地区全域を、くまなく探すことにしたようだ。

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