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カノープスは、星空と大地のあいだに

作者: 逢乃 雫
掲載日:2023/01/21

初空月(はつそらづき)の空は


凍て雲の彼方に


風が冴えて



冬ざれの景色の中


道沿いを彩る


南天の紅い果実



建物の壁を伝う


アイビーの葉は


冬でもなお碧く


何時迄草(いつまでぐさ)を想わせて




沈みゆく夕陽を背に


少しずつ進む


緩やかな坂道



いつまでも続く


坂道なんて


きっとないから



続いていくのは


果てしない空と地平線



太陽が眠りにつく頃


月明かりの中で


アイビーの葉は


星のように輝いて




星空と大地のあいだに


ホライズンブルーの


空は果てしなく



南の空の下に輝く


紅い瞳は


カノープスの光



幾つもの星々が


光を放つこの夜空で



シリウスの次に


明るくまばゆく



けれど澄んだ空にしか


見られない星




星空と大地のあいだに


カノープスは


今宵もひとつ輝いて



天上を燦然と照らす


青白きシリウスを


遥かに見上げながら



地平線のシルエットを


伝いゆくように



澄みわたる空の裾に


ひととき瞬く


幸せのひとつ星




空は見上げるばかりじゃない


真っ直ぐに見つめる


この道の上にも


空がある



希望の光は遠いどこかでなく


真っ直ぐに見つめる


地平線の上にも


星がある



胸の想いは時に


蔦のように絡まり


もつれるけれど



凍てつく冬にも


枯れることのない


アイビーのように



夢はいつまでも


この胸に青いまま


伝い寄り添って




アイビーの碧い葉が


風にゆれながら


星のように煌めく夜



カノープスは、


今宵も輝く


星空と大地のあいだに















初空月は1月のことです。カノープスは、りゅうこつ座の星で、全星座の星の中でシリウスに次ぎ2番目に明るい恒星ですが、南の地平線すれすれにあるため、大気が澄んだ日にしか見られず、見ると幸せになる星、「寿星」とも言われます。「竜骨」は船底の骨組みで、星の名は神話の水先案内人に由来します。


また、アイビーは、何時迄草いつまでぐさとも呼ばれるキヅタの外来種です。星のような葉が冬でも枯れず青々とし、花はなかなか見られませんが、花言葉は「永遠の愛」「誠実」などで、1月21日の誕生花です。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[一言]  白や灰色のイメージの冬の景色の中にも、ちゃんと赤や緑の色があるのですよね。なんだか忘れがちなことに気付かせてもらったようです。  夕日を背負えば影は前へと長く。伸ばした手は坂道の終わりに…
[良い点] 「星空と大地のあいだに」 すっごく素敵な言葉です。愛や希望がたくさんあるんだろうな。と連想しました。 とっても素敵な詩をありがとうございました。 みこと [一言] カノープスって知りませ…
[良い点] 1月の日中の空を眺め、南天やアイビーがある町並みを歩き、気づけば夕暮れ時。 視線は地平線から、また広い空へと戻って夜空を眺める。 ゆっくりとした時間の経過と、自然の美しさや冬の温度が感じ…
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