大人と幼馴染の会談 1
翌日、エヴァンス邸にやってきたホーキング侯とジャック。
応接間にはエヴァンス侯爵、先代のエヴァンス侯爵がいた。
「前侯爵閣下、お久しぶりにございます。」
ホーキング侯の挨拶に次いでジャックも礼をする。
「ああ。久しいな、ホーキング当主よ。ジャックも健勝のようだな。」
「はい。前侯爵閣下。ご無沙汰しております。」
「ふたりとも座ってくれ。」
エヴァンス侯爵の促しにホーキング家が席に着く。
「今日、ホーキング侯が来た理由は分かっている。私の姪であるエイミーのことだろ?」
「そうだ。少し前に噂でエイミー嬢が婚約するかもと耳にしたんだ。
しかも、あまり言いたくはないが、いい噂を聞かない家からだと…」
「正直に言おう。それは噂ではなく真実だ。しかも間が悪いことに、昨晩、エイミー本人が婚約の話しをあの男から聞いてしまった。」
「エイミーが知ってしまったのですか!?」
ジャックは勢いよく立ち上がる。
「ジャック、見苦しぞ。座りなさい。」
「申し訳ありません…。」
「エイミーは相当ショックを受けていたと。あんな男に大切なエイミーを任せたのが間違いだったのだ。」
「儂のせいだな…エイミーに辛い思いを…
あの男が再婚話をこちらになんの相談もせずに強行したから…その時に引き取っておけば…。」
前侯爵が項垂れる。
「エヴァンス侯、確かめておきたいことがあるのだが?」
「どうした、ホーキング侯?」
「婚約の話しはエイミー嬢の意思ではなくあの男の意思であるということでいいか?」
「ああ。そうだ。あいつは妻と子どもに金を使いすぎて散財している。父上が送り込んだ執事長が大量の請求書に頭を抱えていたよ。
そこをガーランドに目をつけられ、エイミーを息子の婚約者にするなら…と大金を積まれたようだ。
そもそも、あの男は父親のくせにエイミーは金を呼ぶ駒としか考えていないんだ。腹が立つ。
何もしていないくせに。」
「もう一つ確認なんだが、あの父親は彼女が伯爵家の正当な後継者であることを気がついて…というか忘れているのか…?」
「あいつは気づいていないんだ。自分が伯爵代理人であり、後継者が成人年齢つまりは15歳になるまでの繋でしかないことに…
婚姻の際の書類にも明記してあるがあいつは書類をしっかりと読まない節があるからな。」
「まさか…エヴァンス侯爵閣下、伯爵家はエイミーの母親の爵位であの父親は婿でしたよね?
サーフロー伯爵家の血が入っていない人間が爵位を継げないことくらい、書類がどうとか置いておいても、小さい子でも理解が…」
「ジャックの言いたいことも分かるが、あの男は愚か者だ。理解できていないよ。」
「そんな貴族がいるとは…
しかもエイミーにその血が半分は流れていると思うと…」




