ジャック、リミッターを外す 2
「エイミー、そこの答え間違ってない?」
ジャックの声が近くで聞こえてくるのでエイミーは集中力を欠いていた。彼は時々頭を撫でたり、
髪を一房取って指に絡めたり頬に口づけしたりと、邪魔をしているようにしか見えない状況だ。
「ジャ、ジャック…この姿勢では集中できないわ…降ろして…くれる…?」
「エイミー…ダメなの…?」
甘えるように言ってくるジャックにエイミーは折れるしかなかった。
「はあ…ジャック、ここの問題は間違ってないわ。」
「えっ?あっ、本当だね。俺が見間違えたみたいだ。」
ジャックはエイミーの頭を撫でる。
「流石エイミーだね。入学試験、主席だったんだろ?」
「何で知ってるの?私、手紙には書いてないのに…」
「トールやロブロが誇らしげに手紙に書いてあったよ?」
「貴方だって、留学するときの編入試験歴代最高得点だっのでしょ?」
「知ってたの?」
「ええ。夫人…お義母様が仰っていたわ。」
「母上と交流していたんだね。」
「娘みたいに可愛がってもらっていたの。」
「そうか。これからは、俺がエイミーを骨の髄まで可愛がって、甘やかしてあげるからね。」
「ジャック、甘やかされてるのは私ではなく、貴方かもしれないわ。」
「そうかな?確かに留学中に会えなかった反動で常に一緒にいて、甘えてるかも。」
「私も甘えたいのだけれど、宿題はちゃんと終わらせたいわ。終わったら、いっぱい甘えたいの…
ダメ…かしら…?」
エイミーは恥ずかしがりながらジャックを見つめる。
「エイミーが可愛すぎて、辛い…。宿題の邪魔はしないから、この姿勢ではダメかな?」
「分かったわ。邪魔しないでね?」
「うん。でも、再開する前にキスしてもいい?」
「ジャック!」
「ごめん、ごめん。キスは宿題が終わったら。だね。」
「もうっ!」
その後、エイミーは宿題に集中することができて、ジャックが帰るまで甘やかされて過ごした。
ジャックの膝に抱えられながらの宿題は彼女が学院を卒業するまで続くのであった。
その度にエイミーは白い肌を上気させ真っ赤になる。そんな彼女を見て、ジャックはほくそ笑むのだった。
「エイミー、可愛すぎるよ。」
と言いながら、彼は口づけの雨を降らせる。エイミーが止めてほしいと上目遣いでお願いしても、それは逆効果でスキンシップが過度になるだけだった。
ジャックは節度は持って彼女を溺愛しているつもりであったが、最近は座る距離は近いし、家族の前では常に彼女を膝に乗せている。
そんな彼の溺愛っぷりは貴族間では有名となってきている。
お茶会へ誘えばエスコートは腕を組むのではなく、腰を抱くスタイルでエイミーの頬が真っ赤になるのをたくさんの貴族たちが目撃している。
「ね、ねえ、ジャック…?」
「ん?どうしたの、俺のエイミー?」
エイミーが気にしてジャックへ声をかけるも、もっと恥ずかしいセリフで返事がくるので、彼女はノックアウトされてしまうのだった。




