エイミー·サーフロー
現在、15歳のエイミーはサーフロー伯爵家の正当な後継者だ。
この家にはエイミーと14歳になる義妹しかいない。
12歳のときに母親が亡くなって、父親は悲しみを引きずることなく継母と再婚し、連子であった義妹が伯爵家へやってきた。
義妹のアメリアは父親にそっくりな顔つきをしていたので、恐らくはそういうことなのだろう…と
エイミーは思ったに違いない。
「お義姉様だけズルいわ!私、新しいドレスが欲しいです!
この前お義姉様がつけていた宝石も欲しいですわ!お父様、お母様、いいでしょ?」
アメリアが何かを強請るときの口癖だ。
そんな彼女を見て、父親も継母もエイミーに「妹に譲りなさい。」と言うだけだった。
更には屋敷のメイドは入替えられ、彼女の味方は有能な執事長のみとなってしまった。
時々、ご飯をあげない等の嫌がらせもあったが眉目秀麗な彼女の容姿を落とすことを懸念した父親によって最低限の食事の提供と身だしなみは行わせていた。
彼女自身も母親が守ろうとした領民を守ろうと思い、父親や継母、義妹の一挙一動を気にするのは辞めて、日々、後継者として努力することにした。
そんな彼女が学院へ通い始め、従兄と幼馴染とお茶をした日。
「エイミー、君の縁談が決まったよ。ガーランド侯爵家の嫡男とだ。」
父親の執務室に呼ばれて行くと急に父親に言われた彼女。彼女は青ざめた。
「お父様!どういうことですか!?
嫡男ということは後継者との縁談でございますよね!?私はこのサーフロー伯爵家を…」
「この伯爵家を継ぐのはアメリアだ。これは決定事項だよ。お前は学院を卒業次第、侯爵家へ嫁ぎなさい。話しは以上だ。」
「お父様!お考え直しを!」
「エイミーは本当にあの女に似ているな。」
「お父様…?」
「エイミー、私は君の母親との結婚が心底嫌でね。ただ、同じ伯爵位でも実家よりも上になるから仕方なくしたんだ。貴族の結婚なんて政略が多いだろ?」
「そ、そんな…」
「それにエイミーは気づいているだろ?アメリアが私の血を継いでいると…。聡い君なら、アメリアを見たときから。」
「…やはりそうなのですね…」
小さい頃は少なからず愛情を注いでいてくれていたと思っていた父親から真実が告げられて、エイミーは落胆するしかなかった。
「学院を卒業するまでは面倒をみるよ。安心しなさい。」
彼女は意気消沈して自室へと戻っていく。
「どうしたらいいの…お母様の守ってきた場所が…お父様たちに、任せて大丈夫なの…?
ごめんなさい…お母様…エイミーは力不足でした…」
彼女は朝まで泣き声を抑え、枕を濡らした。




