父親の末路(微ザマァ)
エヴァンス侯爵の命令により、伯爵家から労働施設へ強制送還されたエイミーの父親はその施設の中でも最も過酷て危険な鉱山の労働に派遣されることになった。
「どうして、俺がこんな目に…」
そんな呟きを聞いている人はいない。
「おい、新人!休憩だぞ?」
先輩労働者が声をかけてきた。
「…」
「ちっ!無視かよ!どっかの貴族かね?俺ら平民とは話したくないですよーってか!」
「ははは!ちげぇーねえー!」
他の労働者たちに馬鹿にされているようでとても腹が立つが、慣れない労働で疲労が蓄積され、更にはご飯も不味いし量も少なく腹が減っているので何もする気力がないのだろう。そのままトボトボと歩いていく。
「おい!そこのお前!」
身なりのいい男が声を掛けてきた。
「…はい…何でしょう…?」
元父親は男の顔を見て愕然とした…。
「に、兄…さん?」
そこには元父親の次兄がいたのだ。
「お前…新しく入った新人ってお前だったのか…」
次兄はとても驚いてはいたが、同情する気は全く起きなかった。
「兄さん、助けてくれ!俺、腹が減って…」
「お前、自分が仕出かしたこと反省もしていないのか?」
「何で、兄さんが…」
「エヴァンス侯爵から実家宛にお前の仕出かしたことをまとめた物が届いたんだよ。この、恥晒しめ!兄上がどれだけ頭を下げたことか。」
「そ、そんな!エヴァンス侯爵やエイミーには
ちゃんと謝るから、助けてくれ!」
「おい!誰か!今日のこいつの飯は食っていいぞ!こいつは元気だからいらないとさ!」
次兄は弟に向けるとは思えない冷たい目をしていた。
「お前が、エヴァンス侯爵やエイミー…いやサーフロー女伯爵へ謝って済む問題と思っているのか?
そもそも、お前は伯爵家を乗っ取ろうとしたのだぞ?この国でも数少ない有力貴族エヴァンス侯爵家の前夫人の生家を。
下手をしたら王国側から目をつけられてもおかしくないのを、エヴァンス侯爵とホーキング侯爵の慈悲でこの程度の処遇で済ませてもらったのだぞ!それが何故分からない!?だから、お前は…
反省できていないようだから、お前は午後の作業を開始しろ!」
「そ、そんな!今は休憩の…」
「とっとと行くんだ!お前がここにいることを
兄上に報せてやろうか?俺以上にキツイことになるぞ?」
「そ、それだけはっ!」
元父親は焦って鉱山の作業場へ戻った。しかし、次兄は長兄へ手紙をしたため、自分の担当する鉱山に愚弟がいることを伝えるのであった。
元父親は長兄に見つかり、労働に支障がない程度に怪我を負わされ、一生を労働施設で過すこととなった。




