祖父と義孫
エヴァンスとホーキングがエイミーの父親と話している間、アメリアはサロンで前侯爵にお強請り口撃を仕掛けようとしていた。
「お祖父様がサーフロー邸に来られるなんて、珍しいですわね。」
「そうだな。まあ、私は息子の付き添いのようなものだがね。」
「伯父様の付き添いですか?」
「まあ、気にしなくていいぞ。」
「ふーん。それよりも、お祖父様!私、この前王宮のお茶会への招待状を頂きましたの!」
「王宮のかい?」
「はい!中流以上の貴族の当主と後継者が参加するお茶会なんですって!」
「どうしてお前が招待を受けたことになるんだい?」
「お祖父様、お前だなんて酷いです!
だって、お父様がこのサーフロー伯爵家はお義姉様ではなくて、私が継ぐことになるから、王宮の招待は私にだと。」
「あの男、そんな嘘をついておったのか!」
「嘘って?何のことですの?」
「品がないだけでなく、頭も悪いのか…」
「お祖父様…?」
「アメリア嬢よく聞きなさい。お前は伯爵家を継ぐことはできない。当主であった我が娘の血が一滴も流れていないからだ。」
「当主であった娘…?」
「あの男、何も説明しておらんのか。おい、この娘の母親を連れてこい。」
前侯爵が冷ややかに言うと使用人たちは屋敷内を探し、後妻を連れてきた。
「お義父様、どうなさいましたか?」
若干、息が乱れている後妻に「お前なんぞに義父と呼ばれる筋合いはない。そこへ座れ。」と
命令する。
「貴様、この伯爵家の後継者についてあの男との婚姻前にどう聞いている?」
前侯爵が後妻を睨む。
「わ、私が彼から聞いたのは、妻が亡くなって自分が伯爵になるから一緒になろう、次期当主はエイミーでなくアメリアにしよう。
エイミーは容姿がいいから、大金を積んでくれる家に嫁に出せばいい。そう言っていました…。」
「あの男めっ!まあいい。今頃は陥落しておるだろう。」
「陥落…?お義父様、どういう…」
「さっきも言ったがお前に義父と呼ばれる筋合いはない。」
再度睨みを効かせる前侯爵に後妻は更に怯む。
「エヴァンス侯爵様は義父ではない…と?」
「ほう。少しは分かったようだな。儂は女伯爵だった前サーフロー伯爵の
父親であり、あの男とは血の繋がりは一切ない。つまりあの男の後妻や連子…実子であるその娘を保護する義務はない。」
「!!」
後妻は驚いているが、アメリアは状況を全く理解できていない。
「ど、どういうことですの?お母様!?お祖父様は何を…」
「おい、女。貴様の娘、頭は大丈夫か?先程から、血の繋がりがないというのに儂を祖父と呼ぶぞ?」




