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大人の話 1

エヴァンス侯爵と前侯爵そしてホーキング侯爵は

サーフロー伯爵邸へ向かっていた。


「父上、時間稼ぎとはいえ、よろしかったのですか?」


侯爵は前侯爵である父親がエイミーの義妹アメリアを疎んでいるのを知っている。

それなのに可愛いエイミーのためにひと肌脱ごうとしているのだ。


「あまり、時間はかけるな。あの後妻と連子は香水の匂いがキツくて、長時間はいれんのだ。」


ため息混じりに言う自分の父親をみて侯爵は「あの男を負かすことなど造作もないことです。」と自身たっぷりに言う。


「前侯爵閣下でも、嫌いな方がいるのですね。意外です。」


ホーキングがくすくすと笑う。


「ホーキング当主よ、あれは伯爵家の品位を著しく落とす行為だぞ。ゴテゴテした流行遅れのドレスに化粧、屋敷内の調度品もどれも品がないのに、無駄に買ってばかり…。」

「執事長が頭を抱えている姿が想像できますね。」

「父上、本日をもってロブロを一旦エヴァンス邸へ戻すつもりです。そして、サーフロー領関係の書類も持ち出し、我が家で預かるつもりです。」

「ああ。それがいいだろう。

伯爵があの屋敷ではなく、エヴァンス邸で仕事をしていることにすれば王家も文句は言うまい。」


エヴァンスと前侯爵の会話を聞いていたホーキングはまたもやくすくすと笑い「お二人はとても似ておられますな。」と言っていた。



そうしてサーフロー伯爵家に到着した。


「エヴァンス侯爵、お義父様、それに、ホーキング侯爵。ご無沙汰しております。」


サーフロー邸の玄関にてエイミーの父親が出迎えた。


「今日は急だったのにすまない。」

「いえいえ。今日は予定はありませんので。どうぞ、皆様こちら…」

「お祖父様!」


エイミーの父親が応接間へ案内しようとすると品のない格好で品のない声のエミリーの義妹アメリアが出てきた。


「アメリア、他にもお客様がいるんだ。ちゃんとご挨拶なさい。」


エミリーの父親はアメリアを咎めた。エヴァンスも前侯爵もホーキングも「こいつ、まともなこと言えるんだ!」と内心で驚いていることだろう。

後妻と連子に散財させているわりには…と付け加えるだろうが…。


「申し訳ありません。伯父様、お久しぶりにございます。そちらは…?」


アメリアはホーキングを見る。


「やあ、アメリア嬢。久しいね。こちらは私の友人でホーキング侯爵家の当主だ。」

「私、存じ上げず…申し訳ありません…。

サーフロー伯爵家()()のアメリアでございます。」

「ああ、アメリア嬢、宜しく。」


冷めた態度のホーキングのことは全く気にせずに、アメリアは前侯爵をサロンへ連れて行ってしまった。

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