たくさん食べる人はお好き?
こんにちは。七生です。主戦場は、異世界転生/転移ものです。ちなみに、レビュー普及委員会の会長を自認しております(会員募集中!)
性別は名乗っておりませんが、皆さんからは、口々に女性だと言われております。ちなみに、一部の読者からは男性扱いされておりますが、そこはどうぞ、お好きなように。
(*作者には、特別な主義や主張は、ございません。何卒ご容赦のほどを)
ところで、皆さん。活動報告、通称『割烹』は、よく読まれますか?
実は、先日、自分はこの割烹に、レビューを頂いた話を載せたのですが……。
レビューを書いて頂いたのは、サカキショーゴ様。「なろう」レビュー界の大御所様です。
そこで、少しでもお礼がしたくて、自分も、サカキ様の数多の作品の中から、一押し作品をご紹介しようとしたのです。
ちなみにそのお話は『食べ歩きが趣味の元サラリーマンが異世界で料理の調査をする話。』というグルメものです。
話の流れから、自分が、皿蕎麦を20皿食べたことや、大食いチャレンジで無料を勝ち取った話を少し書いたのですが……。
何か皆さん、大食いに興味津々のご様子。本来の目的とは違い、コメント欄は、皆さん大食いの話ばかり……ごめんなさい、サカキショーゴ様! 自分もレビュー書くから、許してください。
と、いうことで、これは、急きょ書かねば! 皆さま、ほんのひとときのことですので、お付き合いくださいませ。
◆
ある日のことでした。
社会人一年目の自分は、先輩と、お昼ご飯を食べるため、あるチェーン店を訪れていたのです。そこは、全国的に有名な、カレーのお店。
先輩と向かい合い、席についた自分は、何とそこで、財布を忘れたことに気付いてしまったのでした。
「やばい、どうしよう……」
慌てて店内を見回すと、何とそこには、『大食いチャレンジ募集!』の文字が!
何と、30分以内に、お店が用意したカレーを食べきれば、無料だということです。
さて、皆さん。あなたなら、こんなとき、どうしますか?
先輩に正直に事情を話して、お金を出してもらいますか? それとも、勝負しますか?
私、七生はこう見えて、勝負師です。かつては、水上カジノやリスボアでブイブイ云わせていたほどでございます。
……コホン! そ、そんなことはともかく、今回のチャレンジは、失敗すればペナルティーがあるようですが、いざとなれば、先輩を頼ればいいでしょう。どう見ても、財布が分厚そうな先輩でしたので。
「すいませ~ん」
自分のチャレンジ希望の表明を受けて、ニヤリとする店員さん。
『どうせ、あなたになんか、無理に決まってますわ。これはいい見ものですわね。ふふふ……』
店員さんは、そんな、悪役令嬢のような笑顔で、自分のチャレンジを受け付けたのでした。
ちなみに、この店員さん。今でも覚えておりますが、モデル体型の美人さんでした。
正直、ビジュアルだけで、白旗をあげて、『まいった』してしまいそうになったことは、内緒です。
しか~し! 自分には、熱い想いがあります。
「自分が、財布を忘れてきてしまったことを、先輩にばれたくない! これ以上アホな奴と思われたくない……」
そんな、決死の覚悟で、申し込んだのですが……。
「これを、ご用意ください」
何と、モデル店員から最初に渡されたのは、エチケット袋。
「こ、これは……」
「念のためです。お願いします」
「く……くく、くそう!」
このとき、私の闘志に、静かに火が付いたのでした。いくら何でも、これは、店側からの明らかに格下扱いのサインです。こんな屈辱が、許されるものでしょか。
薄くこめかみに血管を浮き上がらせている自分をよそに、テーブルには、エチケット袋、タイマー、スプーンとフォークなど、これから始まる戦いに向けての小道具が並べられていきます。
えっ、フォーク? 何に使うんだ?
目の前にいらっしゃるのは、この挑戦をかたずをのんで見つめる先輩の姿。
押忍、やるっす!
「お待たせしました~♪」
そして、自分の前に置かれた大盛カレー。何と、米四合らしいです。自分の左手には、白米の壁が聳え、右手には、ルーの海……。
「では、始めます」
モデルがタイマーを押し、勝負が始まりました。
…………。
最初は、順調に食べすすめていた自分でしたが、異変が起こったのは、20分を経過してから。
「あ、あれ……」
残りのカレーは、あと少し。八割がた食べています。しかし……。
ここに来て、一口が重い。お腹は膨れ、腕が重い。口も開かなくなってきました。
「く、くそう……」
このとき、半泣きの自分の眼に映ったのは、半笑いのモデル。
くっ……このままでは、自分は、一生負け犬になる!
今にして思えば、このときの経験が、スタイルのいい女の子がもてはやされる世界を終わらせたお話『転生社畜の領地経営』に、つながったのでしょうか。
その後、半泣きになりながらも、見事28分余りで、四合大盛カレーを見事完食。お食事代は無料になり、写真撮影をされました。
自分の写真はお店の入り口に飾られ、二度目のチャレンジは禁止するという誓約書にサインさせられたのです。
しかし、当時お店の入り口に掲げられた自分の写真、まるで、指名手配犯みたいなのですが……。