フォルカスさんとキョウバテまでの旅（準備）
フォルカスさんと彼の任地キョウバテまで一緒に旅をします。
求人票の見方、賃金や休日、その他の見方をフォルカスさんに教えてもらったその後、
「ライト。明日の出発の準備が出来たのなら履歴書書いたらどうか。俺はこれでも
キョウバテのギルドマスターで事務職の求人票を出した立場でもあるから見てやる。」
と言われたので、履歴書を書いた。
少なくとも旅の間は偽名で通すつもりなので、元C級傭兵ラングドシャの履歴書だ。
書きあがったので、魔法を頭の中で唱えライトのギルドカードからラングドシャのギルドカードに切り替えた。切り替えたことによって、パラメータやスキルもラングドシャのものに切り替わっている。
なお、あくまでも偽装カードに切り替えたのみなので、能力表示（ギルドカードや、レベル、職業、スキル及びパラメータ等）はラングドシャのもので表示されるが能力はライトのままだ。
「フォルカスさん。俺のギルドカードとパラメータを見てみて。これが偽装した能力です。」
そういいながらフォルカスさんに書きあがった履歴書を見せた。
フォルカスさんは俺の書いた履歴書をしばらく見ていたが、呆れた顔で、
「ライト。この能力値はどうにかならないのか。これじゃあ転職は難しいぞ。」
と言った。
「お前は魔法剣士だから魔法は使えるから、元傭兵、魔法使いというのはいいさ。でもこのレベルと能力値はなんだ。LV42で能力のパラメータは普通のlv42よりも高く、傭兵ランクはＣ。これって他人にどのように評価されるか解かるか。LV42なら普通なら傭兵ランクはＢ若しくはAなのに傭兵ランクはＣ、パラメータの伸びが運悪く悪かったのかと思えばlv42にしては2～3レベル分は高い。これはどう評価されると思う？。LVは高く能力値があるわりに傭兵ランクはＣ、すなわち、傭兵ギルドの事はあまり考えず自分の受けたいクエストしか受けない、自分のことしか考えない協調性のないやつだと思われるぞ。偽装カード書き換えることは出来ないのか。」
「傭兵ギルドに行って書き換えることは出来るよ。そっか、すっかり忘れていたけど、偽装カードは相手を油断させる為の能力値にしたんだった。転職に有利なように書き換えてくるよ。どんな感じにしたらいいかな。」
「そうだな、傭兵ランクはＣ、LV34くらい。パラメータはＬＶ34の標準値くらいにしておけばいいんじゃないか。ＬＶ34だとランクはＤの上位が普通だが、Ｃにしておけば頑張ってクエスト受けてＣにした、やる気があると思われるし。」
「わかりました。早速傭兵ギルドに行って偽装カードを書き換えてきます。装備というか服はどうしましょうか。今偽装用に持っている魔法使い用の装備は皮のフードを中心とした皮装備で防御強化の魔法が付与されているものです。俺はこれでいいと思うのですが。」
「それでいいだろ。魔法使いのＤランク傭兵にしてはいい装備で、頑張って揃えました感が出ていいと思うぞ。」
**************************旅立ちの朝*************************
昨日あの後、傭兵ギルドに行って傭兵レベルや能力値を修正して来た。
出発の朝、カインとミリマムが見送りに来てくれた。
これからしばらく逢えないので、短い時間だったが嬉しかった。
フォルカスさんはその後用事があるからと言って出発は午後からになった。
なんでも王国職業紹介所の求人を見て応募してきた人が何人かいるとのことで面接をしてきたらしい。全員色々と難があり、不採用にしたとのこと。今後の面接希望者はキョウバテの冒険者ギルドで行うという条件に求人票を書き換えてきたと言っていた。
俺は旅の期間、魔法使いの元Ｄランク傭兵ラングドシャとして生きることにしたので、防御強化された魔法使い用のフード等の皮装備を装備した。
これから俺の新しい人生が始まれば・・・いいなあ。
キョウバテまでの工程は、のんびり行くので4日。今日と明後日は野営で、明日はその分贅沢をして大きな町でいい宿に泊まることとした。
今後の俺の旅に備えて、冒険者流の野営の仕方を教えてくれるとのことで2泊を野営にあてた。
魔王退治のパーティを組んでいた時に散々野営をしたが、いつのまにか役割分担が決まってしまったので、フォルカスさんやカインの役割だった食糧調達や野営場所の決定等を中心に教えてくれるそうだ。
ちなみにミリマムの担当は薬草を錬金で薬にすることと白魔術による仲間の治療、俺の役割は山に入って薬草収集、薬草を錬金で薬にする、鍛冶スキルを使用し仲間の装備の修理だった。
フォルカスさんは時間を取ってくれて、世間知らずの俺に色々と教えてくれた。
本当に感謝。
さて、出発だ。
歴史小説が好きで、「王佐の才」を今読んでいるんですが面白いです。
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