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寂しい侍女は、高慢王子の一番になる  作者: 三国司
建国祭編

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67日目

 私とロキオ殿下が両想いになり、王妃様たちに結婚の許しをもらってから一ヶ月が経った。

 私はゆっくりでもいいんじゃないかと思うのだが、殿下は早く結婚したいようで、仕事の合間に式の準備を進めている。

 私が着るウエディングドレスの事では、ミシェルや王妃様とも打ち合わせをしているらしい。私は採寸などに協力しただけで、自分がどんなドレスを着ることになるのかまだ知らない。楽しみにとっておく事にしたのだ。


 ロキオ殿下と結婚すれば私は侍女を辞める事になるが、仕事はぎりぎりまで続ける事にした。新しい侍女も信頼できる人たちが見つかったのだが、結婚式を終えた後から働いてもらう事になっている。

 殿下の奥さんになれる事はもちろん嬉しいが、一方で侍女でなくなるのは少し寂しいので、残り少ない侍女生活を楽しむつもりだ。


 フルートーには、今月は二週間ほど滞在した。その時に改めてひざまずいてプロポーズしてもらい、私も改めて結婚を受け入れた。

 そしてフルートーの屋敷の皆にも結婚を報告すると、特にクロッケンさん親子は喜んでくれた。

 サラさんは安堵したような、嬉しそうな、そしてちょっとだけ悲しそうな表情で言った。

 

『本当におめでとうございます。ロキオ殿下があまりに幸せそうにしているので、私も嬉しいです。ロキオ殿下が選ばれた女性がエアーリア様でよかった』


 嫌な人だと仕える気が起きませんからね、と冗談めかして続けるサラさんに、私はほほ笑むことしかできなかった。

 でも、それでよかったのだと思う。どうして少しだけ悲しそうな顔をしているの? もしかしてサラさんはロキオ殿下の事を……? なんて尋ねても、どうにもならないから。


 私たちがフルートーを去る時、サラさんは「また来月、お待ちしております。結婚を機に、殿下もエアーリア様もフルートーに住んでくだされば嬉しいのですが」と言ってくれたので、また訪れるのが楽しみだ。

 フルートーに住むという話も、いずれロキオ殿下と話ができればいいと思う。フルートーののんびりした雰囲気はお気に入りだから。


 あとはイオ殿下やシニク殿下にも結婚の報告をすると、二人はとても喜んでくれた。兄たちに「よかったな」と言われて頭を撫でられ、恥ずかしそうにしているロキオ殿下の貴重な様子も見られた。

 年が離れているから、イオ殿下もシニク殿下もロキオ殿下の事が可愛いんだと思う。

 イオ殿下は私にこっそりこんな事も言っていた。

 

『私は私だけの力で今の地位に立っているわけではなく、父と母、シニクと、そしてロキオの協力のおかげでここにいるのだ。ロキオには少し負い目も感じていたが、あの子が幸せになってくれてよかった』


 ロキオ殿下を見るイオ殿下の優しい視線は、今も心に残っている。



 と、ここ一ヶ月の事をつらつらと考えながら、騎士と手合わせを始めようとしているロキオ殿下を見守る。

 副団長として騎士たちの訓練を見に来たはずのロキオ殿下だったが、騎士たちが剣を持って向かい合い、二人ずつ手合わせを始めると、「私も参加する」と言い出して剣を手に取ったのだ。

 私は前にスピンツ君から言われた事を思い出した


『殿下が今、真剣に剣の稽古に取り組んでおられるのは、エアーリア様に格好良いところを見せたいからなんですよ』

『私に? どういう事?』

『騎士さんたちとの手合わせで、次こそ手加減されずに真剣勝負して勝って、その姿をエアーリア様に見せたいみたいです。『そうすればエアーリアはさらに私に惚れるに違いない』って自信満々に言ってました』

『殿下……』


 あの時と同じように私は遠い目をした。ロキオ殿下は今日、ここで私に〝格好良いところを見せる〟つもりらしい。

 そんな事をしてくれなくても、もう十分格好良いと思っているからやめてもらいたい。怪我をしないか心配だ。

 ロキオ殿下はずっと自分の近衛騎士のフェリオさんに指導してもらって稽古を続けていたので、自信満々で剣を握っている。そんなふうに余裕を見せてあっさりとやられてしまわないかも心配だ。後で慰めるのが大変そうだから。


「さぁ、一番強いのは誰だ? 私が相手をしてやる」


 殿下が剣を抜いてそう言うと、騎士の皆は面倒臭そうな顔をした。


「誰が行く? お前行けよ」

「嫌だよ。わざと負けるのも難しいんだから」

「でも殿下やる気満々だから、誰か行かないと。ところでなんで今日はあんなに張り切ってるんだ?」

「婚約者がいるからだろ。ロキオ殿下は分かりやすいよ。俺、最近、殿下にちょっと好感持ってきたんだ」

「普段は偉そうにしてるけど、エアーリア様といる時はあからさまに嬉しそうにしてるもんな。時々、さらっとあしらわれてて可哀想になるけど」


 ひそひそと騎士たちが話しているが、私は彼らに近いところにいるので全部聞こえている。

 と言うか、さらっとあしらっているところまで見られていたらしい。ロキオ殿下は人目のあるところでもお構いなしにいちゃつこうとしてくるから、そういう時は「今は駄目です」とかわしているのだ。


「誰かやる気のある者は?」


 近衛騎士のフェリオさんが騎士たちに声をかけると、一人の若者が手を挙げた。


「俺がお相手します」


 しかし前に出ようとしたところで、若い騎士は周りの仲間たちから小声で「ちゃんと手加減しろよ」「上手く負けろよ」と注意を受けている。

 これをロキオ殿下が聞いたら怒るだろうが、騎士たちの気持ちも理解できる。王族相手に本気で戦えと言われても、気を遣わずにはいられないのは当たり前だ。


 うちの殿下が迷惑をかけて申し訳ないような、でも殿下の相手をしてあげてほしいような、複雑な気持ちだ。

 けれど若い騎士は、仲間の忠告を受け入れるつもりはないようだった。小声で周りの騎士たちに言う。


「嫌ですよ。毎回毎回気を遣うなんて。一度思い切り負かしてやればいいんです。怪我はさせないようにしますから、まぁ見ててください。婚約者の前で惨めに膝をつかせてやります。城の中でいちゃいちゃしやがって……俺は恋人に振られたばかりだっていうのに……」

「私怨じゃん」


 仲間にそう突っ込まれながら、若い騎士はロキオ殿下の前に出て剣を構えた。


「手加減はなしだぞ」

「分かっています」


 ロキオ殿下の言葉にも即座にそう答えて、上官の合図と共に剣を振り下ろす。ロキオ殿下は上手くそれをかわし、自分も攻撃に打って出た。両者とも守りに回る事なくひたすら相手を攻める展開となり、ずっとロキオ殿下の剣の指導をしていたフェリオさんは熱くなっている殿下に「全く」と苦笑いしている。


「だが、あれだけ真剣に行った稽古の成果ははっきり出ているな」


 フェリオさんの独り言が私の耳に届いた時から、ロキオ殿下は相手を押し始めていた。思っていたより殿下が強かったのだろう、若い騎士の表情には驚きが浮かんでいる。手加減している余裕はないようで、最初とは違って真剣だ。

 そして、ついにロキオ殿下は相手を負かした。周りで見ていた騎士たちから驚きの声が上がる。彼らも、若い騎士が本気を出しているのに負けた事は気づいているのだ。


「殿下、すごいです!」


 あまりはしゃぐわけにもいかないので、小声で言って小さく手を叩く。ロキオ殿下はフンと得意気に笑っている。

 そして負けた騎士は、まさか負けるとは思っていなかったのか呆然としていた。ロキオ殿下はそんな彼に近づくと、


「ちゃんと鍛錬しているのか? 私に負けるようではまだまだだぞ」


 と言って肩をポンと叩く。何故わざわざ煽りに行くのか。

 けれど若い騎士は負けた自分にショックを受けているようで、殿下に腹を立てている様子はない。


「はい……。頑張ります……」

「まぁそんなに落ち込むな。お前たちはいつもよくやってくれている。後で何か差し入れでもやろう」

「え、本当ですか? さすがロキオ殿下! 肉がいいです!」

「いいだろう。食べきれないほど持ってきてやる」


 若い騎士はころっと態度を変えて喜んでいた。他の騎士たちも「ロキオ殿下、万歳!」と肉の差し入れに盛り上がっている。現金だ。

 でも、ものに釣られたにせよ、ロキオ殿下が周囲の人たちから好かれているのを見ると嬉しくなる。

 

 これからは、ロキオ殿下もわざと高慢な王子を演じる事はしなくていいのではないだろうか。

 だって私との結婚が決まってからロキオ殿下は毎日幸せそうで、怒りっぽい演技も不機嫌な表情もあまりできなくなり、城で働く人たちからの好感度は上がっているけれど、だからと言ってイオ殿下やシニク殿下以上に大人気になるという事もないからだ。


 イオ殿下やシニク殿下には、これまで築き上げてきた国民や臣下たちからの人気や信頼がある。子どもの頃とは違って今はもうそれは盤石なものになっているから、ロキオ殿下が普通に良い人になったからと言って、兄王子たちの地位は揺らがないと思うのだ。

 これからはロキオ殿下の可愛いところも皆に分かってもらえたらいいな、なんて私は勝手に思っている。

 

「では俺は帰る。肉は使用人に届けさせるからな。エアーリア、行くぞ」


 自分の目的を済ませて満足したロキオ殿下は、剣をフェリオさんに預けて私の元にやって来た。

 そして私にキスをしてから言う。


「どうだ、私は強かっただろう」

「はい、お強かったです」


 いちいちキスするのはやめてほしいけど素直に肯定すると、殿下はまたもやフフンと笑って私の手を握り、訓練場を去る。可愛い。


「部屋に戻られますか?」

「いや、少し散歩する」


 二人で城の周りを歩いていると、突然茶色い虎柄の猫が前を横切った。口にはネズミを咥えている。

 猫は私たちから少し離れたところで一度立ち止まると、ネズミを咥えたままこちらを振り向き、また前を見てどこかへ駆けていってしまった。


「あの猫、確かスピンツ君の……」

「ああ、ロクサーヌの友だちにしようと、スピンツが勝手に私の部屋に連れてきた猫だ。柄もそうだが、体格や顔つきがよく似ている。短いしっぽも同じだ」


 虎柄の猫は珍しくないが、私もロキオ殿下も猫好きなので、全く興味のない人に比べると猫の見分けはつく方だ。

 ロキオ殿下は続けた。


「スピンツは結局あの猫を捕まえられなかったと言っていたが、一人でたくましく生きているらしいな。城に出るネズミを捕ってくれているようだ」


 そこまで言うと、ふと気づいたように私を見た。


「……ところで、エアーリアはなぜあの猫の事を知っているんだ? エアーリアが私のところに侍女としてやって来たのは、あの猫が部屋で大暴れした後だろう」

「あ! え、ええっと……そうでしたっけ?」


 私は慌ててとぼけたが、様子を盗み見ていた事はロキオ殿下にバレてしまったようだった。殿下はじっとりと私を見下ろしたが、「まぁいい」と言って聞かなかった事にしてくれる。


「あの猫は飼い猫にならなくてよかったのかもしれないな。野良としてずっと生きていたようだし、今さら狭い部屋に入れても窮屈だったかもしれない」

「そうですね。でもクッションやベッドの心地よさを知ったら、虜になるかもしれませんよ」

「そうかもな……」


 ロキオ殿下は歩みを進めながら、ぽつりと言う。


「ロクサーヌは、私に拾われてよかったと思っているだろうか」


 私は窓辺でごろごろ寝転がって幸せそうにしているロクサーヌの姿を思い浮かべ、すぐに言った。


「もちろんですよ。ロクサーヌはお姫様ですから、野生では生きていけません。性格もおっとりしていて怖がりですし、猫にしては動きがゆっくりで、ちょっと鈍くさいところもありますし」


 それに寒い地域でもないのに、外であの長い毛をまとって生きていくのは大変だ。ブラッシングしてくれる人もいないのに。

 ロキオ殿下はフッと笑って言う。


「確かにな。出窓に乗るのも時々失敗しているからな。……だが、たまに心配になるのだ。私は自分勝手な理由でロクサーヌを拾ったから」

「……? けれど、ロクサーヌは生まれて間もなく母猫に見捨てられ、一人で死にそうになっていたから殿下が拾われたのでは?」


 前にロキオ殿下から聞いた話を思い出しながら言う。

 ロキオ殿下は続ける。


「ロクサーヌを拾った一番の理由はそれだが、実は他にも下心があって助けたのだ」

「下心ですか?」

「そうだ。犬や馬は主人にすごく懐くだろう? だからロクサーヌも、拾って世話をすれば私に懐いてくれると思った。私の事を一番に好きになってくれると」


 私は立ち止まって、殿下を見つめた。


「しかしロクサーヌは甘える時は甘えるが、基本的には一人でいるのを好む猫だった。あまり構い過ぎると逃げていく。ロクサーヌは私にとって大切な愛猫だが、ロクサーヌにとっての私は、冬に重宝する湯たんぽだからな」

「確かに寒くなってきてから、ロクサーヌは殿下の膝にばかり乗っていますね」


 私はふふふと笑いながら言った。私より殿下の方が体温が高いのか、残念ながら私の膝は選ばれない事が多い。ブラッシングの時は喜んで走ってきてくれるのだが。

 ちなみに暖炉がついていると、私もロキオ殿下も暖炉に負ける。

 ロキオ殿下は私に向き合って続けた。


「エアーリアに軽蔑されてしまうかもしれないが……実はスピンツを引き取ったのも同じ理由なのだ。犯罪者集団から助けた後、しかるべき施設に送らず自分の従者にしたのは、ちょうど従者が欲しかったという理由もあるが、私の事を一番に考えてくれる相手が欲しかったからだ。スピンツは人懐っこかったからな。私の事も慕ってくれるんじゃないかと考えた。だが、あいつは私に限らず誰にでも懐く」


 苦笑いしてロキオ殿下は言う。

 けれど私が複雑な表情をしていると、殿下は慌てて尋ねてきた。


「軽蔑したか? そんな理由でスピンツを引き取ったなんてと。……やはり言わなければよかった。嫌いになったか?」


 顔を青くしている殿下に、私も急いで言葉を返す。


「いいえ、そんな事ありません。軽蔑もしていませんし、嫌いにもなっていません。だって……私も同じだからです。実家で猫を飼っていると話した事があったでしょう? ニピーというのですが、あの子は私が八歳の時に拾ったんです」


 ロクサーヌと同じく親に見放されたのか、それとも単にはぐれたのか分からないが、子猫だったニピーはアビーディー城の敷地内で雨に打たれて鳴いていた。その時の事を思い出しながら話す。


「私も殿下と同じ事を考えてニピーを拾いました。このまま放っておけば死んでしまうからという理由の他に、自分に懐いてくれたらいいなと――私の事を愛してくれたらいいなと思って。実はニピーを拾う以前から、私は密かにアビーディー城の周辺を散歩して捨て猫や捨て犬を探していたんです。すでに愛する人がいる人間と違って、一人ぼっちの動物なら、きっと私を一番に愛してくれるだろうと考えて」


 私は小さく笑って続ける。


「でも私が一生懸命世話をしても、ニピーが一番懐いたのは母だったんです。寝る時も、私のベッドにはたまにしか来てくれません。『愛してほしい』という押し付けがましい気持ちが私から出ていて、ニピーはそれに気づいていたのかもしれませんね」


 私はニピーの事を食べてしまいたいくらい可愛いと思っているし、侍女になるために家を出る時も別れがたかったが、ニピーは私がいなくなってもそれほど寂しがらなかった。今もアビーディー城で毎日母に甘えて暮らしているだろう。

 私はロキオ殿下を見上げて言う。


「なかなか自分に都合の良いようには愛してもらえないものですね。でもそう考えると、殿下と両想いになったのは奇跡みたいです。一番に愛する人に、一番に愛してもらえるなんて」


 なんとなくくっつきたくなって、私は向かい合っている状態からロキオ殿下に身を寄せた。肩に頭をあずけ、胸に手を添える。

 私からくっつくのは珍しいので殿下は一瞬驚いたようだったが、やがておずおずと背中に手を回してくる。自分から私に触れてくる時は全く恥ずかしがらないのに、今は動きがぎこちない。

 ちらりと顔を見上げると、やはり赤くなっていた。可愛い。


 しかしじっと見られると気になるのか、ロキオ殿下は片手を私の後頭部に回して、私が上を見上げられないように抱きしめた。

 そして二人の間の隙間をなくそうとしているかのように、私の肩に顔を埋めてくる。殿下が猫だったら、今、ごろごろ喉を鳴らしているかもしれない。


「殿下……」

「殿下じゃない、ロキオだ」


 意味なく呼びかけただけだったが、即座に修正された。名前で呼べという事だろうか。


「ロキオ殿下」


 呼び直してみたが、殿下は何も反応を見せない。じっと私に抱きついているだけだ。


「ロキオ様?」


 正解はこっちか? と思いながら呼ぶ。しかしやはり殿下は動かない。


「ロキオ?」


 最後にそう言うと、私を抱きしめるロキオ殿下の腕の力が強まった。どうやらこれが正解らしい。

 慣れなくて恥ずかしいので二人の時でもめったに呼べそうにないが、殿下がそう呼ばれたいと言うのならなるべく頑張ろう。


「愛してる」


 私を抱きしめたままで、ロキオ殿下は囁いた。

 思わずほほ笑みながら、私はこう返す。


「それを聞いたの、今日だけで三度目です。でも嬉しい。私も愛しています」

「そうだ、私は三回言ったのに、エアーリアからは今の一回しか聞いていない」


 顔を上げた殿下が拗ねたように言うので、私は笑い声をもらしながら答えた。


「愛しています」

「もう一度」

「愛しています、ロキオ」


 殿下は満足げに息を吐くと、また唇を寄せてキスをしてくる。

 ここには騎士たちはいないので、私も今度は恥ずかしがらずにそれに応えた。

 殿下が惜しみなく愛を与えてくれるので、私も安心して同じだけの愛を返す事ができる。胸を張って愛していると言える。

 こちらが一方的に愛するだけの関係ではないので、心は常に満たされていて、寂しさはもう感じない。

 ずっと心の中で膝を抱えていた、寂しがり屋の子どもの私はいなくなったのだ。


 幸せを感じている私の気持ちを映したかのように、ロキオ殿下にもらったブローチが胸元できらりと光った。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

感想&評価などもありがとうございましたー!

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