大人びた百合
私が40才になって、初めて男性に興味がないということを自覚した。女だから結婚をしないといけないのは、一体いつの時代の話なのだ。ぶっちゃけ、周りの友だちは結婚はしていった。しかし、離婚も多かった。だから、夢なんて見れないのだ。
「ねぇ、お姉さまは結婚はしないの?」
はぁ、昨日、お洒落なバーで飲んでいたら、いつの間にかついてきたこの娘。家出少女みたい。年は18才みたいだけど。どうしよう、警察に突きだそうかしら?
「帰ってくれないかしら?」
「イヤです、アタシはお姉さまと一緒に居たいのです」
何を言ってるんだこいつ。お姉さま? 一緒に? そんなのまっぴらゴメンだ。でも、この娘はちょっと可愛い。って、何を考えているのだ私は。
「お姉さま? 肩をお揉みしましょう」
「いいってば」
「遠慮をなさらずに」
「帰ってよ!」
私が言い放つとその娘は落ち込んでいるようだった。
「あ、ゴメン……」
この娘は泣き始めた。と同時に何かが心の中でくすぐられた。私はこの娘を抱きしめてあげる。ゴメンね、わかってあげられなくて。
「お姉さま……」
私のファーストキスはこれで終わり。