全ての始まり
初めての作品なので分かりにくいところも多数あると思いますがよろしくお願いします。
また、手書きで紙などに書いてからそれを書き直したりしながら投稿するので連載に時間がかかったりするかもしれません。
目を覚ましたのは自分の部屋。いつもと変わらない、いつまでも変わらない日常。
「汲人!今日は文化祭の準備で早く学校行くんでしょ!早く起きなさい‼︎」
いつもの母親の声。そういえば今日はクラスメイトの高田に早めに来いと言われていたのだった。
俺は飛び起き、着替えを始める。今は7時10分、学校までは15分で、なんとか間に合いそうだ、とカバンを持ってリビングへ降りて行くと母がトーストを焼いていた。
「汲人、パン1枚くらい食べてかないと体もたないわよ!」
「うっせぇなぁ、時間ねぇからいらねぇよ!」
朝の俺の機嫌はいつも悪い。寝起きだからだろうが、頭が冷えてから思い返すと親に悪いなといつも思う。そんな絶賛不機嫌モードで俺は何も言わずに家を出た。
自転車にまたがり、家を出る。今は7時13分。15分で着いたとして教室に着くのは30分を超え確実に高田にどうこう言われるだろう。少し無理してでも飛ばして行くことを決める。
5分後、いつもならここまで10分かかるところを無理して飛ばしてきた。が、予定外のことが起きた。
いつもはそんなに気にしない長い信号に引っかかってしまった。
この信号が変わるまで2分ある。駅前の信号なので1分くらいたつとだんだんと待っている人も増えてくる。汲人の左側にも20代前半程度の女性が並んだ。すると突然、
「だめ!けいちゃん!!」
そんな叫び声が聞こえ、直後誰もいなかった汲人の右側をパジャマの5歳くらいの男の子が走って車道に飛び出した。
ここは駅前の交差点当然車通りも多い。実際男の子が飛び出した直後大型トラックが走ってきた。
男の子は呆気にとられさらに足がすくんで動けないようだった。
すると、汲人の耳に何かが倒れる音がした。汲人の自転車だった。男の子が動けないと分かると彼の体はすでに動き出していた。
幸い男の子がいたのは歩道から1.5mほどだったのですぐにそこへは行けた。しかし、男の子を持って歩道に戻るほどの時間はなかった。
「少し痛いだろうけど、我慢してくれよ…!」
汲人は男の子を…放り投げた。
彼の母親へと放られた男の子が母親の腕に届…く前に気づけば汲人はトラックに跳ね飛ばされていた。
気のせいかもしれないが、左側に並んでいた女性がニヤリと笑ったように見えた。
だが、そんなことを考える暇もなく、汲人の意識は闇へと消えた。
そう、2052年10月20日汲人は、死んだ。