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カルビ・ロース・たん! 〜炎上上等!、そして伝説の炭火覚醒〜

掲載日:2026/07/07

しいな ここみ様主催の【やきにく短編料理企画】の一品です。


また本作は、多田笑様(清坂正吾様名義)の短編 『歓迎会で焼き肉に連れていってもらったんだけど……』 に登場する、

「カルビ、ロース、タン……好きすぎて『カルビロースたん』ってキャラクターまで作れそうなくらいだ」

という一文を読んだ瞬間、

「ピキーーーンッ!」

と頭の中で三人が歌って踊り始めてしまった結果、生まれた作品です(笑)(*´艸`*)←おひ


原作者様には事前にご相談し、快くご了承をいただいたうえで執筆しております。


原作への敬意と、焼き肉への愛情を、炭火でじっくり焼き上げました。


どうぞ肩の力を抜いて、お召し上がりください。m(_ _)m

──今、軌跡(アイドル活動)を振り返ろう。



☆第1話「アイドル、網の上に立つ!」


『焼き肉界の3大アイドルユニット!』という華々しいキャッチコピー!!!


挿絵(By みてみん)


…とは裏腹に商店街のライブ(歩道)


挿絵(By みてみん)


通りすがる人々はチラリと目を向けるだけで、誰も立ち止まらない。


チラシは配っても風に舞い、楽屋(廃屋の厨房)裏で三人は身を寄せ合って泣いた。


挿絵(By みてみん)


コリッとした(誤字ではない)クールな瞳に涙を溜めながら、たんたんが二人の手を強く握る。


肉汁なみだは、まだ止まらない。


誰も見ていない路上に、三つの熱だけが確かに灯る。


カルビたんは

「じゅわ〜っ! カルビスマイル」


ロースたんは

「とろけるロース・ハート」


たんたんは

「コリっとたん・スラッシュ」を


どんなに小さな(ハコとステージ)の上でも、三人は全力だった。


――伝説は、ここから始まった。



☆第7話「レモンは裏切らない」


ライブ帰りの楽屋(貸しボロ事務所)


焼肉弁当を前に、カルビたんが何も考えずにレモンを絞ろうとした瞬間、たんたんがその手を止めた。


「信じられない。全部にレモンをかけるつもり? 生焼け(甘ちゃん)にもほどがあるわ。──レモンはただの飾りじゃない。それぞれの脂の融点(うまさ)を、酸味で完璧な黄金比に引き上げる聖水(果汁)よ。それを無差別に振りかけるなんて、私は認めない。ロースの甘みも、カルビのジューシーな脂の旨味も、一瞬でレモン一色に染まって死んでしまう。このレモンは、私が預かるわ!」


二人と衝突し、飛び出したたんたんだった(読みにくい)


夜の雨に打たれながら、手の中のレモンをじっと見つめる。


「私はただ、みんなの一番美味しい瞬間を守りたいだけ……。タレの濃厚さにも、塩のシンプルさにも埋もれないように、私はずっと酸っぱくて、尖って、クールでいなきゃいけない……だって私は、タン()だから。本音を叫ぶための部位(リーダー)だから!」


だが、ライバルユニット「鉄板☆グリドルズ」の猛攻(スピード火力)に押される網の上(ステージ)


カルビたんとロースたんが叫ぶ。


「私たちは、たんたんのレモンの強さが大好きなんだよ!」


差し出された特製レモンに、たんたんの瞳が熱くなる。


「!?……分かったわ。私の酸味は、もう二人を殺すものじゃない。二人の旨味を、限界まで引き上げるブースターとして使う。必殺――


挿絵(By みてみん)


──黄金色のレモン果汁が、一直線に鉄板☆グリドルズを貫く。


「目が!? 目がぁぁぁーーっ!!」


視界を奪われたローラースケートがコリッと急制動(厚切りタンを踏んだ)をかけられ、


「止まっーー!?」


ガシャーン!!


全員が綺麗に団子になって鉄板へ突っ込み、


「たんたん!」


振り返る間もなく、カルビたんとロースたんが飛びつき、三人はぎゅっと抱き合う。


「……ふふっ」


たんたんは少しだけ照れくさそうに笑い、レモンをそっと掲げた。


「やっぱり、三人で焼くの(ライブ)が一番ね。」


クールな仮面の奥にある、お肉(大切な仲間)への不器用な愛と優しさが弾けた、伝説の回だった。



☆第12話「カルビスマイルは誰のため?」


『安い肉なんだから』


その一言が、幼いカルビたんの心を何度も焼いた。


だから彼女は誓った。


誰よりも、人を焼き上げる(笑顔にする)と。


「大丈夫、私は脂身だもん。みんなが喜んでくれるなら、溶けるくらいでちょうどいいの!」


安価で誰もが頼める『大衆の味』としての重圧に苦悩し、自身の身を削り、激しい煙を上げて放つ──


挿絵(By みてみん)


──神展開にファンの涙腺が決壊。


円盤売上が3週連続1位を記録。


当時のギャルが一斉にポーズを真似し、大ブレイクとなった、1クールの最高到達点。



★中盤ダイジェスト:網の上の軌跡★



☆第18話「塩か、タレか。それが問題だ」


「高級なサシを持つ私と、みんなのカルビ、引き締まったタン……私たちが交わるタレや塩(共に歩く道)なんて、最初からなかったのよ! ユニットは、今日で解散よ」


自身のA5ランクという血統ゆえの孤独に苛まれ、静かに引退を告げたロースたん。


しかし、名門『炭火七輪学園』の濁煙に呑まれながらも、メンバーの熱意によって自身の「真の甘み」を解放した涙の──


挿絵(By みてみん)


──輝き(神作画)に全視聴者が悶絶。


全国の焼き肉店で塩派とタレ派の論争が再燃し、網の下は肉汁の海と化した。



☆第24話「タンは最初か最後か」


「最高のライブは、一曲目で決まる。焼肉も同じ。」


ライブの打順(セットリスト)を巡り、先鋒としてのプライドを賭けたたんたんの単独(だから読み肉いと)の戦い。


「最初の一枚は、希望の味だと教えてあげる。」


──放送翌日、日本中の焼き肉店からタンが消えた。



☆第33話「ホルモンは噛むほど強く(美味く)なる」


最終決戦前夜。


過酷な試練を、飲み込まずに耐え忍ぶことで旨味へと変えてきたと語る3人の姿に、視聴者も三十分間、ハンカチを泣きながら噛み続けた。



 ☆★☆最終(第34)話☆★☆


『いただきます……そして伝説へ』


──あの日々があったから、今がある。


伝統の遠赤外線を重んじる『炭火七輪学園』、圧倒的な熱伝導率でステージを急襲する『鉄板☆グリドルズ』。


幾多の強豪(良きライバルたち)との死闘を、幾度も潜り抜けてきた。


「塩こそ肉本来の味」「タレこそ焼肉の魂」


――決して交わらない二つの信念で、ユニット解散の危機にすら直面した。


噛み切れない苦難を、それでもじっくり噛み締め、旨味に変えて、彼女たちは強くなった。


そして今、彼女たちはついに、国内最大のドーム会場のステージに立っていた。


『焼肉を愛する日本のみんな、本当にありがとう! 私たちがナンバーワンだーーっ!』


三人が叫び、超満員の客席はペンライト(お肉型サイリウム)で埋め尽くされ、熱気は最高潮に達していた。


『カルビたん! ロースたん! たんたん!』


まさに誰もが認めるトップアイドルの座に君臨した、その瞬間だった。


――ズガァァァンッ!!


演出用の火薬が突如として暴走し、ステージは一瞬にして激しい炎に包まれた。


挿絵(By みてみん)


「みんな、逃げてぇぇぇ!」


カルビたんの声も、激しい炎の轟音にかき消されていく。


ファンの悲鳴が響き渡る。


逃げ遅れた3人を呑み込むように天井が崩落し、彼女たちは炎の壁の向こうへ姿を消した。


──誰もが、彼女たちの命は潰えたと絶望した。


──誰もが、彼女たちの魂は転生したと願った。


──誰もが、あの輝かしいシズル(アイドル熱)は黒焦げの灰になったと涙した。


「目を覚ましなさいカルビロースたん! 私たちの遠赤外線すら寄せ付けない熱を放ったのは、どこの誰よ! こんな雑な火力で、あなたたちのサシが負けるわけないでしょう!」


まだ予熱を帯びる客席の最前列で、炭火七輪学園の生徒会長『備長びんちょうまゆ』が、崩れ落ちた瓦礫に向かって叫ぶ。


「そうだ! アタシたちの熱伝導率に喰らいついてきた執念はそんなもんか! 泣くな、肉汁を絞り出せ! 煙の向こう側へ焼き上がってこい!!」


隣で鉄板☆グリドルズのセンター『速火素狄(はやびステーキ)』が、焦げ付くステージを睨みつけ、拳を握りしめる。


静まり返った廃ドームに、再びファンの声が──奇跡が起こる。


黒く焦げた瓦礫の中心から、香ばしく、豊潤で、食欲を根源から揺さぶる「じゅわわわ〜〜〜」という至高の音が響いた。


崩れた瓦礫を激しく吹き飛ばし、立ち上る残炎の中からゆっくりと立ち上がった三つの影。


「私たちは燃え尽きたりなんてしない」


表面は香ばしく。


「炎上上等! 肉は命の輝き!」


中はジューシー。


火に焼かれたからこそ、完成した。


「私たち、私たちのまま完璧に焼き上がったのよ」


その姿は、デビュー当時の初々しい、あの生肉のピンク色(手作り衣装)ではなかった。


彼女たちの衣装は、本物の最高級肉の繊維(神デザイナーの遺品)でできていた。


真に肉の()が彼女らの命を救ったのだ。


強火の試練を耐え抜いたからこそ得られた、表面はカリッと美しく香ばしい焼き色。


「みんな、もっと熱くなろう! 焼肉の未来を、私たちのシズル(みんなの情熱)で焦がすんだ!」


そして内側からは絶望を超えた極上の肉汁(煌めき)が溢れ出る、神々しいまでのウェルダンドレス。


『やきにくーーっ!!』


3人が固く拳を掲げ、夜空に向かって叫んだ瞬間、胸の奥から放たれたまばゆい『炭火の光(チャコール・パワー)』がドームの天井を突き抜け、一鳴の轟音とともに世界中へ向かって爆発的に拡散していった。


──その光の波は、地球の全土を駆け巡る。


高級老舗店の備長炭から、下町の頑固親父が守るガスロースター、学生たちで賑わう食べ放題店の排気ダクト、さらには家庭で囲むホットプレートに至るまで、世界中の焼き網の下にあるすべての火種が、彼女たちの魂と同調して一斉に黄金色の輝きを放ち始めた。


──彼女たちは歌い始める。


パリのテラス席で肉を乗せた網が、ニューヨークの路地裏のバーベキューグリルが、ソウルのドラム缶ロースターが、彼女たちの歌声と同じ周波数で「じゅわわわ」と激しく鳴動する。


『これが……真の炭火力(アイドル・パワー)!!』


肉を焼くすべての火力が完璧な「適温」へと固定され、どんな素人が焼いても焦げ付かず、最高の旨味が引き出されるという、焼肉の歴史(人類の肉食史)における文字通りの『奇跡』が地球規模で現出したのだ。



 ☆★☆ エピローグ☆★☆


その日以降、世界中の焼き肉店では、あの炎から生還した三人のライブ映像がモニターに流れ続けている。


「カルビ! ロース! たん!」

「カルビ! ロース! たん!」


客たちは誰もが液晶画面を見上げ、手にしたトングをペンライトのように振り回しながら、肉の爆ぜる音に合わせて全力で叫ぶ。


網の上で肉が最高の状態に焼き上がる瞬間、店内の熱気は最高潮に達し、見知らぬ客同士がジョッキをぶつけ合って涙を流する。


彼女たちは単なるアイドルを超え、『お肉の概念そのもの』へと至ったのだ。


世界中の焼き網が今日も赤く灯る。


その炭火のどこかには、きっと彼女たちの歌が宿っている。


カルビを焼く者にも。


ロースを焼く者にも。


タンを焼く者にも。


そして豚肉や鶏肉、焼き豆腐を焼く者にも。


網が熱を帯びる音。 


炭が赤く染まる光。


トングは静かに肉を返す。


誰かが笑う。


「人類が生きている限り、私たちは焼き(歌い)続ける」


――いただきます。


(カルビロースたん・伝説編 完)


挿絵(By みてみん)











 



【次回予告】

網の主役たちの新たな壁は、一癖も二癖もあるディープな男性アイドルグループが牙を剥く!


次回、新章開幕――

『ホルモンファイブ 〜網の裏の覇者たち〜』









──続かない!!

最後までご賞味いただき、本当にありがとうございました。m(_ _)m


一つのセリフから、ここまで大騒ぎな物語になるとは、書き始めた本人が一番驚いています。(*´∀`*)


改めまして、本作のきっかけとなった素敵な一文を生み出し、本作の執筆を快くご了承くださった、多田笑様(清坂正吾様)に心より感謝申し上げます。


原作をまだ読まれていない方は、ぜひ『歓迎会で焼き肉に連れていってもらったんだけど……』

https://ncode.syosetu.com/n6665mk/

もお楽しみください。


あの一言が生まれた瞬間を知ると、本作がより味わい深くなるかもしれません。(◡ω◡)


そして――

カルビたん、ロースたん、たんたんは、きっと今日もどこかの(ステージ)の上で歌っています。


ご賞味下さり、ありがとうございました。♡(人≧▽≦)

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― 新着の感想 ―
たんたん笑。 3人ともかわいらしくてそしておいしそう……!(`・ω・´) ロースたんの設定がいいですね。 高貴な血統ゆえの孤独……みたいな。 それでも3人なら力を合わせて笑って乗り越えられるはず! さ…
 かぐつち・くまナぱ(便乗期間限定w)さん、こんにちは。 「カルビ・ロース・たん! 〜炎上上等!、そして伝説の炭火覚醒〜」拝読致しました。  企画作品「歓迎会で焼き肉に連れていってもらったんだけど…
最初の手作り衣装も、なにげに凝ってて美味しそうです。 毎度ながら、完成度の素晴らしさに脱帽です。
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