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終章:夕暮れ時は寂しそう
それから、彼女は来なくなった。
タカシたちは何も聞かなかった。ただ、僕がラジカセを止めていると、「何か流せよ、寂しいだろ」と、不器用に僕を励ましてくれた。
僕は一人、窓の外の鈴鹿の街を見つめる。
あの瓶コーラの自販機は、いつの間にか缶のタイプに置き換わっていた。
彼女は今、高茶屋のどこかで、自分の子供に『赤とんぼ』を歌って聞かせているだろうか。それとも、あの明るいポップスを聴きながら、夕食の準備をしているだろうか。
僕はゆっくりと、ベッドの横で立ち上がる。
まだ、少しだけ歩ける。
僕は一九八五年のテープをデッキに入れ、再生ボタンを押した。
ノイズの向こう側から、あの日の彼女の笑い声が聞こえた気がした。
この作品はAI40%、筆者60%で書きました。
原案100%筆者。
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