表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

第一章:五時過ぎの聖域

 午後五時。外来診察の終わりを告げる放送が流れると、病院は巨大な廃墟のように静まり返る。

 僕たちは一階まで歩き、無人となった外来待合室へ向かった。高い天井の下、オレンジ色の非常口ライトと、赤いコカ・コーラの半自動販売機だけが浮かび上がっている。


 僕は自販機の重い扉を開け、格子の中から二本の瓶を引き抜いた。栓抜きに引っ掛け、「シュポッ」と小気味よい音を立てる。


「はい、お疲れ様」

 冷たい瓶を渡すと、彼女は大切そうに両手でそれを受け取った。


 僕は持ってきたポータブルラジカセの再生ボタンを押す。テープには、僕が深夜放送から慎重に録音したニューミュージックが詰まっている。ノイズ混じりに流れる切ないメロディ。


「これ、リサイタルのチケット。やっと手に入れたよ」


 彼女が見せてくれた二枚の紙。僕たちは、その歌手の曲を口ずさみ、まだ見ぬキラキラしたステージを夢見た。


 ふと、彼女が静かな空間で『赤とんぼ』を歌い出す。保育科の彼女が子供たちのために覚えた歌。その清らかな声に、僕はこらえきれず彼女を抱き寄せた。自販機の明かりの下、僕たちは初めて唇を重ねた。瓶コーラの甘くて痛い刺激が、二人の間に残っている。いつか別れが来る。それでも、この場所だけは僕たちだけの聖域だった。


この作品はAI40%、筆者60%で書きました。

原案100%筆者。

指摘や感想とか頂ければ励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ