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1話

カツッカツッカツッ。

蒼暗く光る空。

純白に光る星。

そして、そのどれをも照らす月。

この街、新明町はこんな夜更けでも人々が行き交い、賑わっている。

「目標、50メートル先に確認。このまま後を追う。」

「了解。民間人には気をつけて。」

「了解。」

目標はフードを目深に被り、どんどん裏路地へと進んでいく。

俺はこの夜に溺れていく人々を横目に後を追う。


目標はどんどん奥に進み、周りに誰もいないところまで来ていた。

そろそろだな。

「目標確保に移る。応援は任せた。」

「ちょっと!こっちまだ視界悪いんだけど!」

ザザッザーッ。

俺は通話を無視して走る。やはりこれ以上進むと通信ができないか。

「なんだ?」

「誰だ?」

目標ともう一人に気づかれた。だがもう関係ない。

俺は足を止める。

「SGP(secret government police)だ。お前らを違法薬物の密売、密輸その他諸々の罪で逮捕する。」

俺がそういうと、二人は笑っている。

「おいおい。こんなガキ一人で俺らを捕まえるって?」

「舐められたもんだなあ!クソが!」

二人は戦闘体制に入る。

目標ではない方が銃を構え、こちらに放つ。この武器は火属性か。いらないな。

「死ね!クソガキ!」

やつは興奮気味に銃をそこらへ放っている。攻撃範囲はなかなかだ。

俺は上空へ飛ぶ。目標の武器は爆弾。こちらは事前の調査で割れている。

これもいらない。

俺はそのまま静かに目標の前まで詰め、武器である爆弾を奪う。

「くそっ!」

ドンッ!

カチャ。

目標が次の爆弾を出す前に俺は腹へ一発入れた。目標はそのまま気絶。俺はすぐに手錠をかける。

「残るはお前だ。」

この付添人も確保すべきだ。そうすれば、今巷を騒がせている薬物事件の黒幕に近づける。

「俺を誰だと思ってんだあああ!?』

やつは銃をもう一つ取り出し、二丁で火を放つ。攻撃範囲は広いが、俺には意味はない。

「武器しか使わねえってことは、能力持ちじゃねえな。」

俺は意識を右腕に集中させる。同時に、俺の右腕から青い炎が浮かぶ。

「火力勝負だな。」

俺はそのまま右腕を奴に向け、青い炎を放つ。

やつの武器から出ていた火は消え、やつ本人に届く。

「うわあああああああ!!!」

やつは叫びながら、壁へ飛んでいった。加減ミスったな。

俺はやつの方へ飛び、手錠をかける。

「こちら蒼、目標とその付添人を排除、確保した。」

少しのノイズの後、向こうの声が俺の耳に届く。

「ちょっと蒼!何勝手してんの!」

「いや、俺状況報告してましたよね?」

「そうだけど、私は承諾の返事してないでしょ!何かあったらどうするのよ!」

相変わらず心配性だな、この人。

「でも、本当にダメだったら月姫さんが俺のこと止めたでしょ?」

「止めようとしたけど、電波繋がんなかったの!」

まじか。そんなに今回慎重になることだったのか?まあいいや。

「今からそっちへ戻ります。いつものとこで合流でいいですか?」

「そうね。くれぐれも気をつけてきてね。」

「了解。」

通信が切れる。まあまだ現場でて2ヶ月くらいだから先輩は色々気にするのか。

早く俺も昇格しねえとな。

俺は端末を操作し、バイクを転送させる。SGPの技術で基地で先に登録した物質を端末を使って転送させることができるのだ。数は限られてるけど。

俺は確保した二人をバイクに乗せ、この裏路地から出た。


BAR「in side。」ここが俺らのいつもの待ち合わせ場所。名前からしてバレそうだが、今のところ問題はないらしい。明るい照明に照らせれているこのバーは木材がメインで作られていて、よく本で出てくるギルドの集会所そのもののようだ。

落ち着きと賑やかさを兼ね備えているこの場所を見ると、つい足を運びたくなる。

月姫さんは外の席で何か飲んでいる。

「お待たせしました。」そう俺が言い終わると、目の前まで詰めてくる。

「もう!こういう無茶はダメだからね!わかった?」月姫さんが言う。

背は低めで子供っぽく見えるが綺麗な顔立ちをしているし、背の割にスタイルが異常に良い。それに大きい目、小さい顔、綺麗な黒い長髪。幼く可愛らしく見えるが、ふとした時にどこか儚げで、大人っぽく見える。SGPでも人気が高い。

「わかりましたよ。」俺は渋々返事をする。「わかったならよろしい。」案外ちょろいかもな、月姫さん。

「今回の件、これで真相に近づくと思いますか?」

「うーん、どうだろう。正直、すぐに、とはいかないと思うけどね。こんな末端の奴らじゃ、本体までは知らなそうだし。地道に調べていくしかないね。」

まあ、そうか。そんな簡単にはいかないよな。仕方ねえけど、面倒だ。

「そうですよね。とりあえず、基地に戻りますか?」

「あれ、蒼はいつもの飲まなくていいの?」

「今日はまだ目標もいますし、戻ってからでも良いかなって。」

「じゃあその後一緒に飲もっか。」

「良いっすね。先潰れた方の奢りで。」

「言ったなー?じゃあサクッと行って戻ってこよう!」

「了解です。」

こういう時の月姫さんは確かに可愛い。みんなが言うのもわかる。正直、この人とおんなじ班でよかったと思う。

俺は後ろに月姫さんを乗せ、バイクで基地まで向かった。



「月班、目標を捉え、戻りました!」

「よくやった。こちらで対処する。」

「加えて、同じグループと思われるものも捉えています。そのものは蒼に対し攻撃を加えてきたのでどのみち連行対象です。」

「了解。ご苦労だった。今夜はひとまず休みなさい。」

「ありがとうございます。」

俺と月姫さんは報告を終え、基地のロビーに出た。

「ふー。報告するのがいつも疲れるんだよねえ。」

「まあ、相手は上官ですもんね。」

「そうそう。現場に出れば、好きな仲間と好きにできるんだけど。」

「それは俺のことも好きって言ってます?」

「なに!別にそう言う好きじゃないから!」

月姫さんは赤くなって取り乱している。このひと、こういう類の話弱いんだよなあ。

噂によると、男女の関係を持ったことが無いらしい。まあ詳しくは聞かないし、ここにいる人は結構そう言う人多いけど。俺もだし。

「とりあえず今日の仕事終わったんで、行きます?」

「もちろん。今日は朝まで付き合ってね!明日休みなんだから!」

「はいはい。」

月姫さんは嬉しそうだ。仕事中、上官や他の班の前では特にしっかりしているが、俺と二人の時は結構ゆるい。なんだか気を許してくれているようでうれしい。俺はまだこのSGPで話すの月姫さんくらいだしな。


俺と月姫さんはBAR in sideへ戻ってきた。SGPの人も多くここに出入りするらしい。まあ基本端末の転送システムで制服から着替えるからバレないだろうけど。

俺と月姫さんは今度はカウンターに座る。いつも飲む時はこの席だ。店内は満員とは言えないが、そこそこまだ客がいる。人気なんだろう。俺と月姫さんは同じビールを飲む。

「かんぱーい!」

「乾杯。」

月姫さんはお酒が好きらしい。いつもここで俺と飲む時は本当に楽しそうだ。浮かれている姿は年上なのを感じさせないくらいだ。



「蒼はさ、今回のやつら、捕まえられると思う?」

結構飲んだところで不意に月姫さんが聞いてくる。いつも大体これくらいで仕事の話を切り出してくる。

「うーん、規模が大きそうですからねえ。簡単に、とはいかないとは思いますけど。でも月姫さんと俺ならできると思います。」

「さすが、私の部下だね。頼りにしてるよ。」

「いや、月姫さんがすごいからですよ。俺も頼りにしてるし、信頼してるんで。」

「もー!こういう時だけ素直なんだから!」

月姫さんは俺ら下っ端より階級はかなり上だ。正直、おんなじ班で一緒にいつも居れるのが不思議なくらいだ。それに、今のところ俺と月姫さん二人だけの班なのが謎だ。何やら特別な班で今後増やしていくらしいが。

「月姫さんはどう思いますか。今回の件。」

月姫さんは酔っている。顔が赤くてなんかふにゃふにゃしている。いつもキリッとしている分、この隙がある感じが余計可愛らしく感じる。

「うーん、正直難しいと思うよ。なかなか本体の実態は掴めないしね。」

月姫さんはグラスに入っている氷を指でいじっている。

「でも、私も蒼とならできるって信じてる。」素直に伝えられたその言葉が、俺は嬉しい。頼りにされて、必要としてくれていると思うからだ。





俺は昔の記憶がほとんどない。きっかけはきっと、唯一覚えている事件だろう。俺は施設にいた。そこは身寄りのない子供を預かる施設でSGPが運営していた。狙いとしては、将来のSGPの戦力にするためだろう。訓練を受けた記憶もある。でも、俺はどの訓練もできなかった。この世には能力というものがある。それは誰もが使えるものでは無いし、人それぞれだ。持つものの多くは火、水、雷、風といった自然界にある力を生まれながらに持ち、操ることができる。そこでやっとSGPのスタートラインに立てる。持たないものは能力が記憶された武器を使う。そうすれば、誰でも一応能力を使うことができるが、武器がなければただの人だ。だから持つものはある程度重宝されるし、中にはもっと珍しいものもあるらしい。

でも、俺は持っていなかった。だから訓練はいつもダメだった。身体能力は高かったらしいが、持っていなければそこまで意味がない。俺はそんな感じで施設で過ごしていたが、ある時、事件が起きた。SGPの施設ということが犯罪組織にバレて、俺らのとこを含む多くの施設が被害にあった。生存者は限りなく少ない。俺の施設では俺だけが生き残った。でも、覚えているのは、施設でいつも俺に優しくしてくれた先生に襲われたことだけだった。施設は赤い炎の海になり、みんないなくなってしまった。最後の二人になった俺と先生。犯罪組織の奴らだろう見たことない連中が何人も俺らを追ってきた。頑張って逃げていたが、最後、先生は俺に向かって炎の能力を扱い、俺はその炎に包まれた。気がついたら、俺は今の基地の病棟にいた。そこで療養をし、また訓練を受け、今に至る。謎だったのは、能力を持っていなかった俺に、炎の能力が芽生えたことだ。




「やっぱり、月姫さん酒弱いですね。」月姫さんはずっと飲み続け、潰れている。

「弱くないよー。今日は疲れてるだけー。」いつもおんなじこと言ってるよな。

月姫さんはかなり酔っ払っている。今にも寝そうだ。俺はお会計をし、班ごとにある宿舎へ月姫さんを抱えながら帰った。いつもお決まりのこの流れ。

でも、いつまでも続くといいなと思う。月姫さんには、いなくなってほしくないから。


月姫さんを宿舎のソファに降ろし、毛布をかけて俺は風呂に入った。今回捕まえた奴らがやっていることは、違法薬物の販売、おそらく製造もだ。この薬物を使った人は能力を持つことができるが、例外なく死に至っている。これ以上の被害を出さないためにも、月姫さんのためにも、俺が必ず捕まえる。SGPになって初の大きなヤマだ。ぜってえ逃さねえ。




ジリリリリリリリリリッ!

アラームの音で目が覚める。そういや、アラーム切ってなかったな。まだ眠いが、窓から差し込む明るい日差しに誘われ、俺はカーテンを開ける。良い天気だ。今のとこ、事件もなさそうだ。俺は下に降り、月姫さんの様子を確認する。月姫さんはまだ寝ている。その寝顔はまるで子供みたいで愛おしく思う。俺は身支度を整え、宿舎を出た。


今日俺と月姫さんは休みだが、俺は昨日確保したやつらから情報を探るため、基地にきていた。入り口にゲートを潜り、エレベーターで地下へと向かう。

地下は照明が強い。理由は囚人が牢から出たときにその姿を常に目で追えるためにだ。もし逃げようとしたら、この証明がさらに明るくなり、司会を奪うようになっている。

「特殊刑事課、月班、蒼です。昨日捕らえた容疑者との面会をお願いします。」

看守にそう言う。ここの看守はみんなサングラスをしている。万が一のためだ。

「班長はいないのか?」

「本日は休暇です。そのため、私ひとりで来ました。」

看守はサングラスをしていてもわかるくらい、めんどくさそうな顔をしている。まあ基本的に面会は班長の付き添いが必須、そうでない場合は事前に班長から申請が必要だからだ。

「班長がいないなら無理だ。申請もされていない。」

やや高圧的だな。そもそも特殊刑事課は嫌な目で見られている。理由はメンバーが特殊な経緯でこのSGPに入っているからだ。まじめに勉強をして訓練をして、試験を乗り越えたものからしたら、俺らのような得体のしれないやつらは受け入れられないのだ。

「どうしても無理ですか?今回は要警戒レベルの事件に関わっています。時間もおしいです。」

「ルールはルールだ。わきまえるんだな。」

だめか。まあ仕方がない。一旦戻るか。

そう思い、俺は看守に背を向けた。

「おーい!この声、昨日の警官だな!?」

昨日聞いた声。俺に話しかけているな。

「俺らを捕まえたくらいじゃなんの意味もないぜ!残念だったなあ!」

看守が舌打ちをしながら黙らせようと牢に向かう。

「おい、お前はついてくるな。」

黙ってついていったがすぐにばれた。それは予想通り。狙いはほんの数秒の時間稼ぎ。

「お前らが捕まえようとしてるのはとんでもなく強え人が率いてる組織だ!下手に手出しゃ、お前らがつぶれるぜ!」

そう言ったところで看守に罰を受け、声は届かなくなった。俺はエレベーターに乗り、地下牢を後にした。


やつが言っていた言葉。まあだいたい下っ端は組織のトップを強いとはよく言う。だが気になるのは俺らがつぶされるということ。ただの戯言の可能性もあるが、一連の事件の規模と被害、そして本体の詳細がいまだつかめていないという事実がある。今までこれほど大きな事件は無い。もしかすると、本体は俺らが思うよりやっかいかもな。

エレベーターの扉が開き、ロビーに出る。まわりの警官が俺に向ける視線は様々だ。

特になんとも思ってない人もいれば、いまだに嫌な視線を送ってくる人もいる。それと、物珍しいものでも見るような視線の人も多い。まあ、もう慣れたけど。

誰とも挨拶を交わすことも無く、言葉も交わさず俺は基地を出た。このまま宿舎に戻ってもいいが。俺はなんとなく、昨日の現場が気になり、向かうことにした。


ひととおり見たが、人目に付くところに特に怪しいものは無かった。いつもどおりの街。やつらの目撃情報も昨日の夕方入ったものだった。そのまえの目撃情報は少し離れた街だった。たまたまか?なにかひっかかる。


あたりが暗くなってきたので、俺は昨日やつらを捕らえた場所へ向かった。人目に付かないところは正直いくらでもある。やつらがここを昨日選んだ理由はなんだ?偶然か?俺は明かりを照らして細かく調べる。特になにも無い。なにかの痕跡もない。考えすぎか?

ブブッ。

端末に誰かから連絡が来た。月姫さんか。そういやなにも言わず出てきちゃったしな。

ブオオンッ!

俺が端末を取ろうとしたその瞬間、何かが飛んできた。

俺はぎりぎり飛んで躱した。

あぶねえ。気を抜いていた。誰だ?やつらの仲間か?俺は下を見る。飛んできたのは人よりも大きく、扱えるのかもわからない大剣だった。

どこだ。敵が見つからない。俺は視線を高速で巡らせる。だが、それでも見つからない。

「どこ見てんだよ。ガキ。」

声は上からだった。俺が見上げると、敵は目の前まで来ていた。

相手が振りかざした拳をぎりぎりで受ける。重い!ちゃんと受けなきゃ腕が折れる。

俺はその重さに耐えられず、後方に投げ飛ばされた。まずい。このままじゃ先手を取られる。俺は壁に打ち付けられ、さらに崩れた瓦礫が降りかかってくる。

「新米警官か?弱すぎるな。」

相手は前方にいる。声の聞こえ具合からして、止まっているのがわかる。

瓦礫の隙間から相手の方を見る。黒のローブにフードが深く、正体はまったくわからない。隠れても無駄。俺の直観がそう言っている。

俺は瓦礫をかき分け、前方の敵と対峙する。背は高く、俺と同じくらい。体格も良い。

「昨日のやつらの仲間か?」

「仲間?あんなやつら仲間じゃねえよ。ただの駒だ。」

「そうか。」

やはり昨日のやつらは末端の下っ端。こいつの口ぶりからするに、こいつは親玉か、本体の人間だろう。どのみち逃がすわけにはいかない。

不意打ちで背中がやられた。時間はかけられない。

俺は力を開放すると同時に、蒼炎を前方に放った。

だが、敵は大剣で俺の炎を切って払う。

俺の炎は特殊な炎だ。能力の炎は能力の火よりも強く、さらに普通の赤い炎よりも俺の蒼炎は威力も火力も高い。あの大剣、なにか能力が刻まれているのか?

「はじめて見たぜ。蒼い炎は。でもまだまだだな。」

敵の感じ。相当戦闘慣れしている。俺よりも。まずいな。今ので背中の痛みもひどくなってる。

「お前らの目的はなんだ?」俺がそう言うと、相手は大剣を下す。

「世界の逆転だ。」

「なにいってんだおまえ。」

「そのままだよ。そのひとつはおまえら警察を堕とすことだ。」

世界の逆転。おそらく俺ら警察を制圧して、自分たちが支配しようってことか。

「なんのためだ。そんなの、できるわけがない。」

「俺のためだ。おまえらが言うこの無謀で不可能な野望を叶えるため、俺は日々成長し、策を練り、生きてきた。おまえら警察も終わる時だ。」

戦ってみてわかる。たしかにこいつは強い。おそらくまだ本気も出していない。能力も使ってねえしな。

ここは一旦引くか。

いや、こんなやつを野放しに出来ない。

「特殊刑事課、蒼。おまえを逮捕する。」

「やってみろよ。」


月姫さんに連絡しておけばよかったな。

せめて、居場所だけでも。


俺は両腕と両足に炎をありったけ込める。今はもう、こうするしかない。

「蒼炎、解放。」

俺は両腕の炎を後ろに放つと同時に、両足に込めた炎で前に飛ぶ。

全力で放った炎で加速する俺のスピードは、目では到底追えない。

俺はそこから両足に炎をありったけ込め、敵の頭めがけて蹴りを放つ。

もらった。

そう思った。

だが、俺の蹴りは敵の黒い何かで防がれてしまった。

おかしい。炎も蹴りの力も、全部消えた。なんだ?この能力は?

「おしかったな。」

敵は無傷。俺は今の攻撃の反動で力を出し尽くし。背中の激痛で動けない。

「おもしれえ炎の使い方するんだな。それも、はじめて見たぜ。」

呼吸が乱れ、俺は限界に達し、倒れてしまう。

ハア、ハア、ハア。

「少しは楽しめたぜ。新米警官。じゃあな。」

だめだ。ここで、こんなところで、死ぬわけには。


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