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とある王子のラストチャンス〜ハッピーエンドになる為に②

ヤバいヤバいヤバいヤバい

これは本当にヤバい。

確かにあった俺のスキル【最終好機(ラストチャンス)】がなくなっている。

なくなったと言うことは使ったと言うことか…?スキルの中には一度使うと消えてなくなるような特殊なものもあると聞いた。


使用したんだ…じゃないと説明がつかない。

あの猛吹雪の中、俺は確かにスキル使用の有無を確認された。


頭の中で響いた謎の声に無意識で答えて…

スキルは使用され俺はここに戻ってきたんだ。

正にラストチャンス。


死ぬ間際じゃないと使えないようなものだったのか?

でも俺…実は2回死んでない?

アホうな俺は「いやーリアルな夢だったわー」とか言って中盤まで頑なに信じようとしてなかったけど…1度目のあれも本当は確かに経験したことだったのでは?

1度目の時、俺は【最終好機(ラストチャンス)】を持っていただろうか。

…いや無かったはずだ。

そんなのあったらラフィの訃報を聞いた時点でスキル使用していただろう。


あのスキルは…俺が2度目を生きることになったから…後天的に生まれたスキルだったんだ!


あれは夢だぁ〜なんて能天気な事を考えてた俺は何の対策も取らずに2周目を周回して…形は違うが死という同じ結末を迎えた。


アホだ…アホすぎる。


そもそも、途中で夢ではなかったのでは?

と気がついたんだ。

特にシルベスター、ラオル、テオドールと知り合った後からは、1回目の体験を夢だとは思えなくなっていたじゃないか!

それなのに…アホな俺は筆でなぞるように同じ道を辿り…ひたすら焦っていたにも関わらず、明日の俺が…勇気を出して解決するかも!?

なんて救いようの無いことを考えていたんだ。


いいか俺…!今日出ない勇気は明日を待ってもでない!!

2度も死んだ俺が言うんだ間違いない!


心残りは、とりあえず一番最初に解消せねばならない。

小者な俺は2度も死なないと1歩すら踏み出せないゴミクズ野郎だ。

そんな俺にも譲れないものがある。

それは――――


「あぁ!ラフィニア!愛しの君!俺の最愛!」

恥ずかしくて言えなかった愛の言葉を君にぶちまけることだった。


「殿下…どういたしましたか。何か悪いものでも口になさいましたか?」

あ、引いてる引いてる。まぁそうなりますよね…


知ってた。


とある女神様の呟き

「ちょっっ!1回目の巻き戻しは彼女のスキルと私の慈悲だから!お前のストーカースキルのせいではありませんよ!!ほんとポンコツ!ほんとバカ!」

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