とある男爵令嬢はヒロインを目指したい
私はリリィティア!
数ヶ月前にお母さんを病で亡くし…
天涯孤独になった…と思ってたのに!
聞いて!
私、なんと男爵家の娘だったのよ!
私を絶望から救ってくれたのは
トマス・コルビー男爵、奥様はマリーア様。
死んじゃったお母さんは昔このコルビー男爵家でメイドとして働いてたんだって。
それで…このコルビー男爵と愛し合って出来たのが私!
お母さんは自分がもし亡くなったらコルビー男爵に連絡が行くようにしてくれてたんだって。
私が困ることのないように…
はー焦ったぁ!
どうやって生きていこうか悩んじゃったじゃん!
お母さんもさー?
さっさと私を手放せば、もしかしたら早死になんてしなかったかもよ?
仕事のし過ぎで死んだんじゃない?
働きすぎだったもの。
ちょっとはわかってたのよ?
私が本ばっか読んで働かないからお母さん大変なのかなぁ?って。
でもね!私お姫様になる予定だったから…
お母さんも「貴方は特別な子よ…」って言ってて働かなくていいよって言ってたし。
やめやめ!暗い事考えるのやめ!
私はね、未来を考えて生きるの!
私はお姫様になるのよ!
前はね?ちょっと、かなり難しいかなぁ…って思ってたけど――私まさかの貴族のお嬢様だった!
これならお姫様になって王子様と幸せになるのも夢じゃない!
私がよんだ本に書いてあった素敵な展開がこの先待ってるのよ!
市井育ちの元気な女の子が、貴族の家に引き取られて、悩みを抱える王子様と触れ合って癒し、見初められて…きゃーー!!!
最高!最高じゃない!本の通りになるのね
私ずっと待ってたのよ。こーゆー展開を!
でもどうやって王子様と出会うのかしら?
暫く家で悩んでいたら、義母のマリーア様が私にこう言ったの。
「貴女には貴族学校に入学して頂きます。学校に入るまで、こちらで貴族のマナーをまなんでもらいますわ。最低限でもマナーを身につけないと…学校に入ってから地獄ですわよ?貴女は仮にもコルビー男爵家の血を継ぐ者です。家名に傷つけないようしっかりと学んで欲しいと思っております。…いつまでも本の世界に浸ってないで少しでも勉強して頂けますかしら?あと、学校にはこの国の王子であられるアーノルド殿下もご入学されます。くれぐれも失礼のないように。何か分からない事があったら、不本意ですが姉の息子であるラオル・ウェザー伯爵子息を頼りなさい。ですが!ウェザー伯爵子息にも迷惑をかけぬように。わかりましたね!」
マリーアさんはそう言うと学校の入学に関する書類をドサッと机に置いて出ていってしまった。
午後の読書の一時が小言で潰された!
なーんて最初は思ってたんだけど…王子!?
王子様がいるの!この学校に!??
いく!いくわ!私学校にいく!
そっか!出会いは学校だったのね!
4つ前に読んだ本の出会いは学校だったものね!
そのパターンなのね!わかったわ!
なら遊んでなんていられないわね。
あの本の主人公みたいに、可愛くはしゃぐ練習と可愛く転ぶ練習をしなくちゃ!!
ふふふっ待ってて下さいね王子様♡
リリィティア男爵令嬢パートでした。
本の世界に閉じこもる夢見る夢子な彼女は
お子様なだけで悪い子ではなかった…はずです。たぶん。




